大企業からベンチャーに転職するとき、期待に胸が高鳴ります。 硬直化した大企業から出ると、明るい未来が待っているような気分になります。
自由で、楽しく、スキルアップできる素晴らしい環境で伸び伸び働けるような気分になります。
大企業がいかにダメだったか。スタートアップがいかに素晴らしいかを語ります。 しかし、転職前に感じていた素晴らしさは幻です。
大手企業toベンチャーへの転職が決まった際、周囲の人に『ベンチャーの良さ│遣り甲斐│大手のダメなところ』などを過剰に語る人は、数年内(早ければ数ヵ月内)に表情の明るさやエネルギーを失い、見違えてゾンビ化してることが多い。
— 𝓞𝓶𝓸𝓬𝓱𝓲 (@ib_kiri) August 10, 2022
そういう人って、転職意思決定時は人の話を聞かないのよね…
まずはベンチャーのデメリットから紹介しましょう。
ベンチャーのデメリット
ベンチャーのデメリットはたくさんありますが、重要度の高いものから紹介します。
ベンチャーは給料が安い
ベンチャーの最悪な部分は、給料が安い点です。 大企業で 10 年間経験を積み、何らかのスキルは身について成長している状態でスタートアップに転職するとします。
大企業 10 年目でスタートアップに転職した場合、給料は大企業の 2、3 年目レベルです。
一気に年収が下がります。
大企業だと毎年何かしら給料が上がりますが、スタートアップは給料が上がりません。
「サクサク昇進して給料が上がっていく」というのは方便です。 サクサク昇進したとしても、給与のアップ額はプラス 5000 円程度です。
アフィリエイトでもやったほうがよほどマシなレベルです。
私が勤めていた大企業だと、普通に勤務していれば、基本給が毎年 3 〜5 万円くらい上がっていきました。 スタートアップはめちゃくちゃ頑張っても年間 5000 円しか上がりません(笑)
上がらないこともあります。
組織が拡大して、人がどんどん増えているスタートアップなら昇給のチャンスはたくさんありますが、人数が増えていないベンチャー企業は最悪です。
上が詰まっていて、給料が低いまま据え置かれてしまいます。
数年間、人数が増えていないスタートアップには転職してはいけません。
会社設立後 10 年以上経っていて、人数が 100 人未満の会社は 100%地雷です。絶対に避けましょう。
ベンチャーは社長がワンマン
社長がワンマンなスタートアップは大企業より最悪です。
大企業では上司のお伺いを立てるような会議が大量にありました。 無駄な会議が面倒で、つまらないと感じたことでしょう。
ワンマン社長のベンチャーだと、いちいち社長に報告が必要になります。 社長に承認されないと何もできません。逐一社長に報告しなければならないし、社長もいちいち首を突っ込んできます。
私が一度働いたベンチャー企業は、ユーザーインターフェースから使用するライブラリまで、エンジニア気取りの社長に報告が必要でした。 技術をわかっているつもりの社長にいちいち報告するのに資料を作成しなければならず、とてつもない無駄な時間を費やしました。
中にいる人達も、「どうやったら社長に承認してもらえるか」みたいな話を延々としていて、本当に馬鹿みたいでした。
ワンマン社長の会社が成功した例はもちろんたくさんあります。
ソフトバンクや Apple もそうでしょう。
ですが、社員として働くメリットはありません。つまらないからです。
給料が高いなら許せますが、安い給料でワンマン社長のご機嫌取りをするのは苦痛です。
会社はキャバクラではないのです。ワンマン社長の会社に転職するのはやめましょう。
「社長がエンジニア出身」なのはエンジニアにメリットがあるのか?エンジニア社長の不都合な真実
ベンチャーの社員はイエスマンばかり
ワンマン社長の会社は社員がイエスマンで固まります。 何をするにも社長がすべて。
社長の意見には絶対に逆らわない、ベンチャーなのに従順な子猫のような連中が社員になります。
ベンチャースピリットの欠片もありません。
せっかくベンチャーで働いているのに、ただの社長の奴隷に成り下がっているのです。
お前の意志はどこにいった?
ワンマン社長の会社だと、社長に評価されるのはイエスマンです。 つまり、イエスマンが偉くなるのです。
すると、社長の意見を誰も否定できない連中が社長の周りを固めることになります。
結果、裸の王様と飼い犬が会社の上層部に固まってしまい、ベンチャースピリットもクソもない、ただ社長を気持ちよくさせるための会社が出来上がってしまうのです。
ベンチャーは上司の頭が悪い可能性がある
ベンチャー企業に転職して驚いたのは、偉い人が馬鹿だったことです。
「こんなに頭が悪い人がいるのか...」と不思議な気持ちになりました。
大企業では人材プールが豊富にあるので、アホには役職はつきません。 ある程度までは年功序列で出世していきますが、ソフトスキルが低すぎる人は部長や本部長にはなれません。
ですが、ベンチャーの場合はその人の役職は「前職の給与」で決まります。
前職の給与を基準に転職後の給与水準が決まるので、給与水準に見合った役職が割り当てられます。 前職の給与が高い場合は、無能でもある程度の役職が割り当てられてしまうのです。
もちろん、中から出世していくケースもありますが、「大企業出身の無能」が上司になるケースはけっこうあります。
ベンチャーといえど、一度役職が上がったらそんな簡単には降格させられないので、無能でも偉い立場に据え置かれる傾向があります。
そのため、管理職に一番必要な言語能力をはじめとしたソフトスキルが足りていない人が上の立場で人を評価していたりします。
ベンチャーはピーターの法則が通用せず、その人の能力を超えた役職に「前職の給与」が基準となって置かれてしまう傾向があります。
年収が低いベンチャーは特に、前職の年収が高い無能な人が偉い立ち位置にいます。
ベンチャーには無能が入社してくる
大企業の新人は優秀な人が多いです。 偏差値の高い大学から選りすぐりの優秀な人が入社してきます。
稀に外れもいますが、絶望的な無能は間違いなく面接で弾かれるので、ほとんど入社してきません。
ベンチャーは違います。
聞いたこともない大学から人が入ってくるのはもちろんのこと、無能すぎて日本語が通じないレベルのアホが入社してきたりもします。
いい大学の優秀な学生は、名もないベンチャーに応募しません。メリットがないからです。
ベンチャーのメリット
ベンチャーのメリットは以下のような点があります。
- 仕事の全体像が見えやすい
- 意思決定の過程から結果まで観察できる
- 転職活動で語る職務経歴の内容が充実する
- 会議が少ない
ですが、メリット・デメリットを考えるとデメリットのほうが多いです。 おとなしく大企業に就職しましょう。
大企業に入れない人だけがベンチャーに行きましょう。社員として働くメリットはほぼないです。
ベンチャーはベンチャーでも、社員数が 300 人以上で、現在進行系で成長中のメガベンチャーに就職するのは素晴らしい選択です。
社員が 100 人未満の中小企業で働くメリットはないです。大企業から転職すると 99%後悔します。 ベンチャーに転職するならメガベンチャーで。
社員数が少ない中小企業に夢を見るのはやめましょう。ただの中小企業に入って良いことなどありません。目を覚ましましょう。