エンジニア転職のリアル

ワンマン経営社長のベンチャー企業は大企業より仕事がつまらない件

2021/04/11に公開
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年収 1000 万の大企業から、年収を 300 万円以上下げてベンチャー企業に転職しました。 古びた大企業ではスキルが身につかないのは事実で、来たるべきジョブ型雇用の世界で羽ばたくには、自分の専門性を身につける必要があると考えたからです。

ベンチャーに転職すれば輝かしい未来が開けると思っていました。

最先端の技術に自由なチャンレンジ、風通しの良い組織で「やってみなされ」と色々と試せるのではないかと思っていました。

全くそんなことはありません。

ベンチャーの風通しが良いかどうかは完全に社長次第です。

社長のワンマン経営のベンチャーに転職した場合、大企業よりも断然つまらない承認・報告作業が必要になります。

ベンチャーなら真摯に顧客に向き合ってプロダクトを育てていける!というのは幻想です。あなたが向き合うのは社長です。

社長が向き合っているのはプロダクトでもあなたでもなく、株主です。あなたは幸せにはなれません。

実際の経験をお話します。

何をするにも社長に承認を取らなければならない

ワンマン経営の組織では、会社の意思決定フローにすべて社長が出てきます。 毎回毎回、何をするにも社長に報告が必要です。

  • 何かを開発するためには社長への説明が必要
  • 外部委託の発注には毎回社長への説明が必要
  • スケジュールに変更が生じたら社長への説明が必要
  • ユーザーインターフェースの変更に毎回社長への説明が必要

トイレに行くにも社長の承認が必要なのではないかと錯覚するレベルでした。

すべてに資料を作り、社長を説得することに命をかけていました。ワンマン社長あるあるです。

大企業ではありえないことです。

大企業でも報告・相談・承認は必要ですが、ワンマン経営のベンチャーは社長が OK を出さないと何もできません。

もちろん、大企業でも部長や本部長への承認は必要ですが、規模が違います。

大企業だと「10 億円以上のの大きなプロジェクトの承認を本部長に求める」みたいなスケールの話ですが、中小企業だと、「3 週間分の作業について、報告資料を作って社長に相談する」みたいなスケールです。

ちっちゃいですよね(笑)

ワンマンベンチャーは大企業以上に裁量がないように感じました。

そして大企業と違って、ベンチャーの創業社長は辞めません。株主でもあるからです。永遠にワンマンで居続け、誰からも批判されないため、変化はありません。

「社長との距離が近い」「経営層と話せる」なんてことをアピールする会社もあります。 ですが、雇われとして中小企業の社長と話してもあまりメリットはないです。

自分の儲けにつながる話を飲みの場でしてくれるなら別ですが、上司と部下の関係ですから。

「社長目線」なんてものは社長にならないとわからないし、何の自慢にもなりません。

社長との距離なんて近くても近くなくてもどうでもいいことです。社員に裁量があるかどうかが重要です。

どこにでも社長がしゃしゃり出てくる会社は基本、働いていて幸せでないことが多いです。

雰囲気が悪いベンチャーはとにかく権限移譲がありません。

何でもトップが決めようとして、すべてに報告を求めます。社員は報告に追われ、社長の機嫌ばかり伺うようになります。 特にベンチャーの場合、立場が上にいる人ほど、社長のご機嫌取りに奔走します。

「ごますり」は大企業よりひどいと思います。

というのも、上が見えない大企業に比べて、中小企業は生殺与奪を社長に握られており、また出世如何も社長次第だからです。

上司が社長のイエスマンで、社長に気に入られることだけが判断基準になっている

社長がどこにでもしゃしゃり出てきて、ワンマンな会社の問題は、中に残るのはイエスマンだけになる点です。 社長の評価が全てなので、会社で権限を持つのはイエスマンで社長の機嫌を取り続けた人間になります。

というのも、給料が大して高くない会社では、ワンマン社長に不満を持った社員はさっさと辞めてしまうからです。

ワンマン社長の下に残るのは、イエスマンと何も考えない無垢な社員だけです。

ベンチャーに転職した人は社長の威光の大きさに驚くでしょう。 たとえ社長が変なことを言っていても、社長の崇拝が凄まじいため、誰も疑問を持たないのです。

社長がすべて正しい、社長の判断に全部従う、社長に認められないものは正しくない、という負け犬根性が骨の髄まで染み込んでいます。

部署内の会話も、いかにして社長に認められるかに焦点が当てられるようになっています。

顧客云々よりも、社長に認められることばかりを考えるようになります。

偉い人ほど社長のことばかりを考えます。

ワンマン企業だと、社長に報告するための資料作りに多くの工数を使います。

私が知っている会社では、部内の半分近くの工数を社長への報告のために使っていました。 もちろん、顧客にとっては何の価値もない作業です。

ワンマン経営で成功している会社もあるので、一概にワンマン経営が悪いとは言えません。

ですが、エンジニアとしてワンマン社長の会社で働くメリットはありません。つまらないからです。

よほど給料が高くない限りは、近づかないのが吉です。

給料が安くて自由度が低く、つまらない報告資料作りに時間を使う...というのはベンチャー転職失敗あるあるです。

たとえば 2000 年代初期にライブドアでホリエモンの下で働く...みたいなケースを想像してください。

田端信太郎氏のように、ある程度有名になった人を思い浮かべて、「ワンマン社長の下で鍛えられたら有名になれる!」とか考える人もいるかもしれないですが、凡百のサラリーマンにとって、ワンマン社長はうざくて面倒くさいだけで、下で働くメリットはないです。

最終面接に社長が出てくる会社を選ばない

社員数が 100 人以上いて、最終面接にいちいち社長が出てくるようなベンチャー企業には転職しないほうがいいです。

意思決定の権限が現場に降りていない証拠です。

何をするにも社長が目で見て判断しなければならない、というのは裏を返すと社長以外に権限を与えていないということだからです。

「社長がエンジニア出身」なのはエンジニアにメリットがあるのか?エンジニア社長の不都合な真実

部下に任せられない、何でも自分で判断しなければ気が済まない、というのはベンチャー社長あるあるです。

別にそれはそれでいいのですが、労働者がそこで働くメリットはないので、選ばなくていいです。

ただ選ばなければいいだけです。

カジュアル面談であらかじめ聞いておく

意思決定にどれくらい自由度があるのかをカジュアル面談で聞きましょう。 それとなく、

「意思決定のためにどのような承認フローがあるか、可能であればお伺いしたいのですが...」

くらいに聞いておくといいです。

社員数が増えていない会社は避けろ

仕事が面白くない会社は社員数が増えません。 採用サイトを見て、採用にけっこう力を入れているように見えるのに、社員数があまり多くない会社、増えていない会社は避けましょう。

フォースタートアップのリクルーターなどに聞いてみると、社員数の推移などを教えてくれます。 社員数が数年増えていないベンチャー企業は必ず何かしらの問題があります。

  • 事業が伸びていない
  • 人材に投資しない
  • 組織の文化に問題がある
  • 給料が安い

など、ネガティブな要因があるからこそ社員が増えないのです。

社員数が伸びていない会社には入ってはいけません。 あと、見かけ上は社員数が伸びているように見えても、増えているのはほぼ新卒採用分だけで、中途は入っては辞めてばかり、という会社も黄信号です。

社員数が少ないのに新卒採用の人数がやたらと多い会社は要注意です。

中途が入ってもすぐに辞めるから、辞めにくい新卒を採ろう、という方針だからです。

黄信号は予め検知できるようにしておきましょう。


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