ベンチャーに転職するリスク|ベンチャーで働くメリット・デメリットとは?大企業と比べてみた

2022/08/05に公開
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大企業で長年働いていると、ベンチャーを見下す気持ちと羨ましく思う気持ちが同居するようになります。

ベンチャーのような低年収でネームバリューのない環境で長時間労働するのはクソだな、と感じる一方で、しがらみと会議ばかりでスキルも身につかない現状から脱出して、ベンチャーで伸び伸び働きたい、という憧れもあるのです。

この記事では、年収 1000 万以上の大企業からベンチャーに転職した会社員が、ベンチャーに転職するリスクやメリット・デメリットについて語ります。

大企業にいる方、就職先に迷っている方は参考にしてください。

ベンチャー転職のリスク

リスクを「不確実性」とするならば、ベンチャー転職のリスクはシンプルです。

「やりたいことがやれない可能性」がけっこうあります。

大企業からベンチャーに転職する場合、年収が下がるのは想定内のはずです。

労働時間が伸びるのも想定しているでしょう。

ネームバリューがないのもわかっているはずです。

ですが、「やりたいことがやれない」「スキルが身につかない業務をやらされる」のは想定していないでしょう。

ベンチャーに転職すれば伸び伸び好きな仕事ができると思ってはいけません。

あとは、福利厚生やネームバリューがないこと、昇給がしょぼすぎる点なども想定できないリスクです。

総じて、ベンチャーは「会社が傾く」以上に業務内容と報酬面でのリスクが大きいです。

一般的なイメージは「潰れるかもしれない」ですが、「潰れる以前に振り回されるリスク」を考慮してください。

ベンチャーでは好きな仕事なんてできない

ベンチャーでは事業の拡大が最も重要です。 つまり、余裕がありません。

新しい技術に投資したり、R&D で試したりする余裕もないため、若いベンチャー企業であっても数年後には時代遅れになっている可能性もあります。

会社の方針が絶対なので、トップの一声で会社の仕事内容がガラッと変わることもあります。

転職するときにはもちろん、どんな業務に関わっていくか、どんなスキルが期待されるかのすり合わせはしますが、すり合わせが守られるとは限りません。

ベンチャーでバリバリ手を動かすプレイヤーになるのを期待して転職しても、中に入るとマネジメントばかりやらされた、なんてことはザラにあります。

ベンチャー経営者は「朝令暮改は正義」「俺達は変化の早い市場で勝負している」などと主張しますが、労働者としては振り回されるメリットがないので、勝手にやってもらいましょう。

もちろん、変化に追従しようとしない会社はスキルの停滞を招いてしまい、問題があります。

一方で、「朝令暮改が正義」などといってフラフラして落ち着かない連中の下で働くのも問題です。

自分にとってメリットがあるかないかで考えましょう。

「朝令暮改なのはお前の勝手だが、面白くないなら辞める」くらいのスタンスでいるのが良いです。

経営者のポジショントークに惑わされて、「朝令暮改が当たり前だ!」なんて洗脳されないようにしましょう。

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ベンチャー転職の面接のときに気をつけること

注意点があります。

こちらのやりたい業務よりも、会社がやってほしい業務がメインになるという点です。

転職面接で

「スキルを身に付けたい」「手を動かしたい」

と言ったとします。

面接官は

「手を動かすのとマネジメント、どれくらいの割合まで許容できるか?」

みたいなことを聞いてきたとします。

これは重要なサインです。

会社のメッセージは「手を動かすよりもマネジメントしてほしい」だからです。

要は、こちらのやりたいことを伝えたとしても、入社した後は「会社のやってほしいこと」が優先されて、「こちらがやりたいこと」は考慮されないのです。

「やりたいことができない」のは入社後に深刻なミスマッチとなります。

なぜなら、やりたいことができないならば、ベンチャーで働くメリットは 1 つもなくなってしまうからです。

赤字のベンチャーが倒産するリスク、傾くリスク

ベンチャーは会社が傾くリスクがあります。

多くのベンチャーは利益そっちのけで赤字を垂れ流しながら事業の拡大に邁進しているでしょう。

それを正義と思っている節もあります。赤字に対する問題意識が低いのです。

そういうベンチャーは市況が傾いたらあっという間に潰れます。だって利益が出てないんだもん。

赤字ベンチャーは資金調達によって輸血されている状態です。

不況に陥って、輸血が止まると死にます。

死にそうになると、必要ない臓器から切り離されます。つまり、リストラされます。

ベンチャーで働くことのデメリット

ベンチャーで働くデメリットはたくさんありますが、メリットはあまりありません。

個人的にはベンチャーは勧めません。特に大企業からベンチャーに転職はやめておいたほうがいいです。

元々中小ブラック企業で働いていた人が、ベンチャーに転職するのはありだと思います。

しょぼい環境からしょぼい環境に転職しても、デメリットはあまり感じないどころか、ちょっと良くなったようにも思えるかもしれないからです。

大企業からベンチャーに転職すると、落差にへこみます。

気にしないつもりでも、あまりにもネームバリューがなくて自己肯定感が下がる人もいるでしょう。

賞与の低さに愕然とします。

社会人歴 10 年でベンチャーに転職したとします。

ベンチャーの賞与は大企業の 2 年目の額と同じです。仕事の内容やアウトプットは大きくなっても、ボーナスが下がります。

年収を下げたからといって、何か報われるかと言ったら、別に何も報われません。

総合商社からベンチャーには絶対に転職するな

総合商社の若手の中には、硬直的でつまらない大企業仕草に嫌気が差して、ベンチャーに転職する人が増えていると聞きます。

本当にやめておきなさい。

毎日の仕事の「つまらない」が蓄積して、とにかく転職したくなってしまう気持ちは痛いほどわかります。

ですが、ベンチャーはやめなさい。

メリットがありません。

金銭的に失うものが大きすぎます。

商社の年収の 4 分の 1、5 分の 1 で長時間労働するのは馬鹿らしくて泣けてくるでしょう。

この記事の最後で紹介しますが、もしベンチャーに転職するなら、踏み台にするのが一番です。

役員になれるならともかく、労働者としては長く働く意味はありません。 むしろ早く脱出しなければ、ネームバリューのなさ故に市場価値が下がっていきます。

ベンチャーをジョブホッパーとして渡り歩くリスク

ベンチャーに転職しても嫌気が差して短期間で辞めてしまう人もいます。

それでもベンチャーへの夢は捨てきれず、低年収でベンチャーを渡り歩く、ベンチャー渡り鳥もいます。

本当にやめておきましょう。

ジョブホッパーは転職市場で嫌われます。

正社員としての道が徐々に閉ざされていきます。

またベンチャーの低年収から次のベンチャーの低年収に転職しても、ステップアップはできません。

ベンチャーは踏み台にするのが良い

ベンチャーに転職することで得られるものもあります。

プレイヤーとしての経験です。

大企業ではマネジメントしか経験できませんが、ベンチャーではプレイヤーとして手を動かすような経験値を得られます。

職務経歴書にプレイヤーとしての経験が書けます。

「未経験」と「経験 1 年」では転職市場で受ける評価が全く変わってきます。

つまり、ベンチャーで 1 年、「やりたい仕事」の経験を積むことができれば、次の転職でアピールしやすいのです。

大企業から転職して、ベンチャー 1 社までであれば、まだ大企業時代の威光も使えます。

大企業時代の年収の話をして、年収交渉で希望年収を上げることもできます。

「○○ のときの年収は ○○ 万だった。経験を積むためにベンチャーに転職をした。年収を下げてでも転職した。

今は経験を積んでレベルアップしたので、○○ くらいの年収を稼ぎたい」

みたいに伝えれば、年収をけっこう上げてくれます。

ベンチャーは踏み台にしましょう。

こういう記事を読むとベンチャー経営者は「ふざけるな」というかもしれません。

ふざけた態度を取られるのは、ふざけた給料しか出さないからです。

メリットを提示できないお前が悪い。嫌なら採用するな、で OK です。

そもそも具体的なメリットも提示せず、「金は出さない、俺のビジネスのためにスキルにならない仕事もやってくれ。

残業代は出ないがたくさん働いてくれ」などとのたまう経営者はなめています。

甘えんのも大概にしろ。俺はお前の母親じゃねぇぞ。

くれぐれもベンチャー経営者のポジショントークには惑わされないようにしましょう。

労働はボランティアではないのです。メリットが無ければ切りましょう。

もちろん、継続的にスキルアップできて、満足いく年収がもらえるならば、ベンチャーを踏み台にする必要は全くありません。

年収水準が高いベンチャーで、さらなる昇進を狙うのがいいでしょう。

メリット・デメリットを冷静に比較して、自分が最も得する道を選びましょう。


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