外資は知らないが、少なくとも日本企業においては、年収は「前職の給与」を基準にして決まります。 転職活動中、現在の年収が 600 万円だとしたら、その 600 万を基準にして、次の年収が決まるわけです。
「低年収の世界線からの脱出が大変」と言われますが、「高年収から低年収に転職すると、後で上がっていくのは大変」なのも理解しておいてください。
日東駒専(大卒の平均)以上の大学を出ていたとしても、就活に失敗したり、新卒入社した企業が業績不振になったりしたら、年収400万の世界線からの脱出は困難になる。
— chio (@chio_pkmn2gen) August 21, 2022
一度こうなったら、努力や成果を積み重ねて、かつ人(運)に恵まれて引き上げてもらえないと、この世界線から脱出できない。本当に。
1 度年収を下げると、低年収で評価が固定される
日本企業の年収の基準は「前職給与」と話しました。
転職活動をしたことがない方だとイメージしづらいと思います。 普通、スキルが上がれば上がるほど、年収も上がっていくと考えますよね?転職活動はそうはなっていません。
転職活動の面接中に、「希望年収」を伝えるのですが(まはた聞かれる)、ほとんどの人が「現職の給与が ○○ だから、xx 円アップを目指したいです」みたいに話します。
採用する側も「今の年収がこれくらいだから、弊社の年収はこれくらいでどうでしょう」という聞き方をしてきます。
結局、スキルや年齢よりも、「前年収」が次の年収に与える影響が大きいのです。
スキルの積み重ねで年収が上がっていくわけではありません。
なので、とにかく就職するなら年収が高い会社で働きましょう。年収が上がっていく会社を選びましょう。
年収が低い会社に入って時間が経つと、会社員人生が低い年収で固定されてしまう可能性があります。
明確な危機です。 年収が低い会社は一刻も早く脱出しなければいけません。
年収が低い会社はそもそも、昇給額もしょぼいので、長く働いても年収は上がっていきません。歳だけとって、年収が上がらない惨めな人生になってしまいます。
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大企業からベンチャーに転職して年収を下げるとどうなるか
大企業からベンチャーに転職する人が最近増えています。 ベンチャーに転職するときはだいたい年収が下がるでしょう。
ベンチャーに転職して、色んな仕事を任されて、大企業時代に比べて多くのスキルを身につけることができるでしょう。
スキルは確実に磨かれているはずです。
ベンチャーで数年経験を積んで、できることが増えて、スキルアップした自分を転職市場に売り込んでみると、驚きます。
大企業時代の年収を超えられないからです。
年収 1000 万の大企業から年収 500 万に下げてベンチャーに転職して、もう一度転職活動をした場合、「年収 500 万」が基準になります。
「前の大企業で年収 1000 万で、ベンチャーに入ってさらにスキルがついたから年収 1200 万ね」とはなりません。
「今の年収 500 万円 + 交渉した分の額」となります。
年収を下げると、「基準」が低い位置に固定されてしまうのです。
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転職活動で年収を上げていく方法
大企業からベンチャーに転職した後、もう一度転職活動を始めると、年収の基準が低くなってしまった現実を直視せざるを得なくなります。 だからといって、永遠に低年収で人生が固定されるわけではありません。
外資で一発逆転みたいな話もありますが、順当に年収を上げていくこともできます。
面接中にある程度評価してもらっている場合は、最終面接で「希望年収はどれくらいですか?」と聞かれたときに、こう言えばいいのです。
「前職の ○○ という会社では 1000 万の年収をもらっていました。
スキルを身につけるために ▲▲ に転職して、現在の年収は 500 万円です。
○○の分野では経験が足りないということで年収を大きく下げましたが、今では既に大きな経験を積んでいます。もう経験不足な状態ではありません。
なので、前職の経験に加えて、ベンチャーでしか経験できないスキルを得た点も考慮して、次はできれば年収 800 万円以上にしたいです」
理屈が通っているかいないかは微妙なラインですが、「元々は年収が高かった」という点を伝えることで、希望が通りやすくなります。
年収を下げたのは「自分の実力不足」ではなく、前向きな理由があったことを説明します。
次のステージには年収を上げていける根拠があることを伝えます。
そうすると、割と年収アップの要望が通りやすいです。
ただ、年収アップの要望を通すには、元々の年収水準が高い会社に応募するのが一番大事です。
ちなみに上記の例では、大手SIerからウェブ系に年収を下げてプログラマとして転職して、次の会社にまたプログラマとして再度転職するパターンを想定しています。
年収はスキルではなく、会社で決まる
スキルが高くても、年収水準が低い会社で働いていると年収は上がりません。
スキルアップしても、年収を出さない会社で働いていると意味がないのです。
平均年収が高い会社に入りましょう。平均年収が高い会社だと、年収は勝手に上がっていきます。
普通に仕事をしていれば、普通に年収が上がります。
一方で、年収が低いケチくさい会社だと、年収は上がりません。成果を出してもちっとも上がりません。
昇給額は 5000 円とかで、昇格する意味が感じられません。 一事が万事で、とにかく何をするにも貧乏くさいです。
給料が低い企業に長くいる人は、その低い水準が当たり前になっていて、疑問を感じることすらなくなっています。 そういう人たちからは離れましょう。
どうやって働くかよりも、どこで働くかの方が大事です。
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年収が低い会社は1年で転職しなさい
何度も繰り返していますが、低年収の会社で長く働く意味はありません。 「石の上にも三年」は現代の転職市場には当てはまりません。
もちろん、1年区切りで3、4社と転職しているとジョブホッパー扱いされて、転職市場で不利になってしまいますが、1、2社であれば大丈夫です。
年収を下げる転職は1度だけ。キャリアチェンジするときだけにしましょう。
そして、キャリアチェンジした後は1年で一気にキャッチアップして、さっさと年収を上げましょう。
転職エージェントに相談すれば年収アップする求人をたくさん出してくれます。まずは市場を覗いてみましょう。お店に行かないと、相場がわかりません。 年収が上がるかどうかを想像するのはやめて、具体的な求人を受け取ってみるのが一番です。