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AIに奪われる仕事とは?ChatGPTの登場により、ホワイトカラーのどんな仕事がなくなるのか予想する

2023/04/15に公開
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ChatGPT の登場以降、AI 紹介 Bot のようなアカウントが目立っている。 海外の AI の事例をどこからともなく引っ張ってきて、「こんなこと AI ができた!すごすぎる!」と目を輝かせて紹介するアカウントである。

AI 紹介の一人が、AI によって奪われる仕事を紹介していた。

税理士などの仕事が奪われると書いているが、本当だろうか?

落合陽一さんが「最強のプログラミング言語は英語である」などと言っていたのも同じだが、この手の人々は発言が適当すぎる。

ChatGPT に英語で質問して、もらった回答を元にしてサンプルを動かす程度で「英語ができればプログラミングもできる!」というのは大げさすぎるし、サンプルをちょっと動かす程度のデモンストレーションを手放しに褒めるのもいただけない。

AI によって奪われる仕事に「税理士」や「弁護士」が挙げられることがあるが、実際は資格による参入障壁がある。 税理士の仕事は税理士資格がないとできないし、弁護士の仕事は弁護士資格がないとできない。

GPT-4 が司法試験に合格できるレベルの知識があっても、GPT-4 に資格は取れないのだ。 だって人間じゃないんだから。当たり前だ。

ChatGPT が司法試験に合格した人よりも多くの知識を持っていたとしても、ChatGPT は弁護士にはなれない。 なぜなら既得権を持つ人々が反対するから。社会は合理的にはできていない。

AI は資格に合格した人間の業務を大いに助けるだろう。 仕事を奪うどころか、仕事を思いっきり助けて、効率化するだろう。

だからといって資格がないと新規参入はできないので、仕事は奪われない。ただ今、資格を持っている人の仕事が楽になるだけだ。

AI に規制は変えられない。規制は合理的には決まらずに、政治で決まるため、AI によって効率化されても全く関係ない。

というより、ChatGPT が導き出した「統計的に正しそうな正論」が正解とも限らない。 ChatGPT が仕事を奪うとして、ChatGPT の答えが正しいかどうかを誰が判断するというのか?

また、間違っていたときに誰が責任を取るのか。AI に責任は取れない。 何でもかんでも「AI がすごい!仕事を奪う!」と煽る人は間違いなく頭が悪く、短絡的で、価値がないので、こういう煽り魔こそが ChatGPT によって駆逐される可能性が高い。

作家の仕事が奪われるかというと、これも大いに疑問だ。

AI は絵や文章を書けても、面白いストーリーは作れない。 最大公約数的なストーリーに誰が魅力を感じるというのか。

というかツイートする前に少し立ち止まって考えられないのだろうか? むしろこういうツイートこそが AI に取って代わられて然るべきである。

金融アナリストの業務は詳しくは知らないが、どぶ板の営業であったり、証券会社の某とのお付き合いであったり、インサイダーに近い情報収集こそが重要なのではないか。

ツイ主はもしかして、金融アナリストの仕事がウェブに公開されている情報をかき集めているだけの仕事と思っているのだろうか?

ChatGPT が持つデータは 2021 年までのデータという。最新の知見を元に分析するにはもう少し AI の進歩を待つ必要があるのではなかろうか。

ChatGPT をはじめとする AI の進歩は凄まじい。 正直言って、恐怖を覚えるレベルで生産性に革命が起きているのは間違いない。

とはいっても、AI は現時点は非常に中立で、「正しいこと」しかいえない。

正しいことしか書かない小説家の作品なんて面白いか?

空は青く、差別は良くないし、人を殴ってもいけない。 世の中に馬鹿はいないし、悪口もない、TOEIC の問題みたいな小説を書かれても何も面白くないだろう。

AI は作家になれない。AI は人間を理解できないからだ。人間は AI に理解できるほど合理的ではないのだ。

Web デザイナーについても AI でなくなるわけでないだろう。 マークアップはかなり機械的にできてしまうので、マークアップエンジニアは危ういとは思うが、独創性ではまだまだ AI は人間にはかなわない。

ChatGPT は革命だ。 腐りきった Google 検索をオワコンにする可能性は十分にある。

Google 社員の仕事は奪うかもしれないが、普通の人間の仕事を奪いはしない。 むしろ普通の人間の業務を楽にして、生産性を格段に上げるだろう。

単純作業を劇的に効率化し、人間がクリエイティブな仕事に集中しやすくなるに違いない。

まぁ、冒頭に例に挙げた AI 煽りの方は、とりあえず「AI すげー!人間やべー!」と恐怖を煽り、インプレッションを稼ぐ傾向にあるので、あまり鵜呑みにしないのが良いはずだ。

AI に奪われる仕事とは?

私は自分のソフトウェアエンジニアとしての業務の領域でしか語れないが、「間違いなく AI の方が良い」と思えるのは、オフショア開発である。

ベトナムや中国、モンゴルなどにいる底辺プログラマに外注するくらいなら、社内のプロパーエンジニアに GPT-4 を使わせた方が絶対に良いコードが書ける。断言してもいい。

もちろん国内にも底辺プログラマはいる。というか、平均以下のプログラマはすべて ChatGPT に取り替えた方が効率が良い。 平均以下のプログラマにコードを書かせると、その改修にものすごく時間がかかる。

雑魚プログラマーでも月に 80 万円以上の単価が必要だが、GPT-4 は 3 アカウント分契約したとしても 1 万円だ。 雑魚にコードを書かせるよりも、絶対に GPT-4 にコードを書かせた方がいい。

100 分の 1 のコストで 100 倍効率が上がる。

一方で、ChatGPT に正しく要件を伝えるにはある程度の経験が必要だし、出てきた答えが正しいか検証するにも知識が必要だ。 GPT-4 だろうとすべてを自動で完璧なものを作ってくれるわけではなく、やはり自分で書かなければいけない部分はたくさんある。

複雑な要件になればなるほど、人間が頑張らなければいけない部分は増える。 そのため、平均以上のプログラマはむしろ、ChatGPT を活用して生産性を上げて、より多くの成果を生み出すことに集中していくことだろう。

底辺プログラマは本当に不要になるし、そういう意味では「これからプログラマにデビューする人」にとっては辛い時代になったともいえる。

未経験にお金払って仕事を発注するくらいなら、ChatGPT のアカウント 1 個増やしてリクエストの上限を追加できたほうが確実に生産性は上がるからだ。

プログラマの文脈で語ってしまったが、おそらく「平均以下」の人間にとって厳しい時代がきた。 平均以下の絵であれば AI が描くし、平均以下の資料は AI が作るかもしれない。

一方で、平均以上の人間は AI を駆使して生産性を上げて、成果を量産できるだろう。

ChatGPT 以後の世界では、一刻も早く無能を脱出しなければならない。 あるいは、AI ができない「人間関係の構築」とか「寝技」などをしっかりと駆使して、より一層人とのつながりを大切にすることで、生き延びる手もあるだろう。


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