エンジニア転職のリアル

【体験談】フルリモートの業務はどんな感じ?サボれる?転職してからキャッチアップするまで

2023/01/20に公開
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フルリモートの会社に転職して、退職するまでの流れと、実際にフルリモートで働いて感じたメリット・デメリットを紹介します。

これからフルリモートの会社に転職する予定の方、迷っている方の参考になればと思います。

フルリモートの会社に転職して業務を始めるまでの流れ

フルリモートの会社では、入社前に「自宅」にパソコンやモニタが送られてきます。 自宅でパソコンを開き、自分でセットアップします。

メールアドレス等は付箋が貼ってあったり、別のメールで連絡があります。

連携してもらったアカウント情報を元に、Google Workspace へのログインやチャットにログインします。 SmartHR の登録も当然、リモートです。

一度も出社することなく、入社になります。 そして一度も出社せずに退職します。

フルリモートでの入社式やご挨拶

入社のご挨拶もリモートです。 中小企業だったので、全社員がつながっている Zoom 上で挨拶しました。

部署での挨拶もリモートです。Zoom で挨拶、自己紹介です。

自己紹介のときは、Zoom 上で軽く自分のことをプレゼンしました。 画面上でしか反応が見れないので、微妙な空気感は伝わりにくいかと思います。

フルリモートでのオンボーディング

フルリモートの会社に入社するとき、気になるのはオンボーディングでしょう。 私の場合はオンボーディングもフルリモートでした。

Confluence 上にまとめられたオンボーディング用のカリキュラムをこなしていきます。 メンターのような方がついて、業務に慣れるまでサポートしてくれます。

「サポートしてくれる体制」は整っていますし、「困ったらいつでも助けますよ」とは言われますが、当然フルリモートなので、横にいる人に声をかけるような気軽さはありません。

Confluence や Notion の情報を検索して、自分なりに色々と調べていかないとキャッチアップは難しいです。

軽く雑談できないのがフルリモートの最大のデメリットです。

ただ、フルリモートで業務を回していくと決めた会社なら、間違いなくオンボーディングのプログラムはちゃんとできています。 学校の時間割のように、「まず何をして、次に何を紹介する」という手順は資料にまとめられているはずです。

私の印象としては、フルリモートの前提で資料をまとめている会社の方がむしろオンボーディングが楽でした。

大手 SI で働いていた頃、部署を異動することがありましたが、資料が全くなく、オンボーディングは口頭での説明が主だったので、すべてが場当たり的で誰に何を聞けばいいのかわからず非常に苦労しました。

フルリモートはサボれるか?

フルリモートはサボれます。誰にも見られないので当たり前にサボれます。 ただ、フルリモート前提の会社だと、「努力」では評価されにくいので、アウトプットを出しておくのが前提です。

Jira の課題の消化だったり、資料の作成だったりと、具体的なアウトプットをサクッと作っておいて、その他の時間でうまいことサボる感じです。

会社はどんな風に勤怠を管理していたかというと、私が働いていた先では、離席するときは勤怠システムに「離席」と入力していました。 離席と復帰を適宜入力して、適宜自由に休憩を取るイメージです。離席してカフェで休憩もできました。

フルフレックスだったので、休憩のタイミングは自由でしたが、離席するときにいちいち連絡するのは非常に面倒でした。

「フルリモートのくせに社員を管理しようとする会社」の場合、いちいち離席のタイミングを報告しなければいけないのですが、自由に離席できる会社もあるでしょう。

Slack のステータスがいつの間にか「退席中」になっているアレです。

管理型の会社の場合でも、離席のタイミングで連絡せずにおけば、トイレとサボりの区別はつきません。

日中の全ての時間が勤務時間になるので、バレない限りはうまいことサボれます。 フルリモートの会社の場合、みんな適当に昼寝したり、漫画を読んだり、ツイッターで遊んでると思います。

「思います」というのは、本当にサボっているかどうかはわからないのです。

フルリモート環境で全力で働き続けるのは無理です。人間はそれほど強くありません。

自宅の部屋に缶詰でずっと業務するのは息が詰まります。適度にサボりましょう。

裁量労働でフルリモートの場合は、名目上は時間の使い方は自由なので、連絡なしに好きなように休憩して、好きな時間に居眠りもできるでしょう。

ただ、フルリモートだと基本的に、評価=成果になりやすいです。 努力が評価されにくいともいえます。

アウトプットも出せずにサボり続けると気まずくなるので、成果が出せるまではフルリモートとはいえ全力を尽くした方がいいかもしれません。

プロジェクトへのアサイン

フルリモートの勤務先では少数のチームでプロジェクトが進められていました。 オンボーディングに比べ、実プロジェクトの業務内容にキャッチアップするための手順はそこまで体系化されていません。

ドキュメントの作成は各チームリーダーに任せられているので、プロジェクトによりけりでしょう。

チームリーダーから案件の説明を受けて、既存のコードを読みながらプロジェクトの理解を進めます。 まずは環境構築から始まり、ローカル環境でプロダクトを動かしてみるところから始まります。

担当者しかわからない秘伝の環境構築の方法みたいのがあると、環境構築は地獄になります。 またテストデータのインポートなども鬼門です。

「今いるメンバー」は環境構築は既に住んでいるので、新たにゼロから環境を作り直すことはしません。 新しく入ったメンバーは環境がないので、新たに環境を作る必要があります。

「今いるメンバー」の環境では動くのに、新しく入ったメンバーの環境では動かない、みたいなことが頻繁に起こります。ドキュメントが陳腐化しているからです。

何か問題が起こったときは、チームの人と Zoom や Google Meet でテレビ会議しながら解決していきます。 たまに画面を共有しながら会話します。

テレビ会議を始める前に

「環境構築ではここまではうまくいったのですが、ここの部分でつまづいています。原因がなかなか把握できず時間がかかりそうなので、お時間あるタイミングでサポートいただけると助かります」

みたいな話をチャットで連絡します。

横にいたら気軽に聞けるのに、面倒くさいですよね。ここがフルリモートの明確なデメリットです。

フルリモートでのミーティング

基本的に、Zoom にチームメンバー全員がつないでやり取りします。 どの会社でも、基本は顔出しが推奨されるでしょう。表情が見えないと、感情が全く読めないからです。

誰かが話して、それに対して意見を出していくスタイルになります。

発言する前に「発言いいですか」みたいに一言言ってから話す人もいれば、普通に会話する人もいます。 ただ、議論には全く向きません。発言のタイミングは対面よりもずっと難しいです。

報告スタイルのミーティングのときは、別の作業したり、ネットサーフィンしやすいのは良い点でしょう。 つまらないミーティングはフルリモートで適当にサボりながら、時間を有効活用しましょう。

評価面談などもフルリモートです。目標と目標に対する成果をリモート会議で上長に報告し、評価してもらいます。

フルリモートでの退職

フルリモートでの退職の流れは以下の記事に詳細に書いています。

フルリモート環境での退職の切り出し方

リモートのまま、退職は済みます。

まずは上司にミーティングの時間をもらい、「退職を考えています」と伝えます。 それから上司やその上の人を交えて会話して、退職の意向を再度伝えます。理由も話した方がいいでしょう。

次に、退職届をメールで提出します。退職届はフォーマットがある場合は所定のフォーマットをもらいますが、私は 2 回退職して 2 回ともフリーフォーマットでした。 インターネット上でダウンロードして、コンビニでプリントアウト。

プリントアウトした書類に捺印して、スキャンした PDF ファイルをメールで送りました。

どこの会社でも退職に伴う手続きは人事部では手順化されています。 退職を伝えると、手順が送られてくるはずなので、その手順に沿って必要なやり取りを進めます。

引き継ぎを含めて 1 ヶ月くらいで退職できるでしょう。

フルリモートだと愛社精神が全く育まれない

フルリモートで入社して、ずっと自宅から仕事すると、会社の思い出が全くできません。 会社の中での雑談や飲み会もありません。

人と人が出会って話さないと、感情は動きません。

フルリモートでの業務上のやり取りは完全にビジネスライクで冗談もなく、要件のみ伝えることになります。 フルリモートで雑談など無理だし、無意味です。全く盛り上がりません。

人間関係が育まれないので、思い出が残りません。 そういう意味で、メリットを追求しやすい環境でもあります。

メリットがなくなればすぐに退職する決断ができます。思い入れがないからです。

逆に仕事だけサクッとやって、給料をもらって、後は会社とは関わりたくない人にとっては、フルリモートは快適だといえます。 私としては、フルリモートは移動時間の節約などのメリットはあるものの、入社からずっとフルリモートだと会社への帰属意識が皆無となるため、離職率が上がると思っています。

働くメリットがなかったり、不愉快に感じたり、他に良い条件がある会社が見つかると、すぐに転職したくなるでしょう。

フルリモートは良いか、悪いか

適度にサボって、時間を有効に使い、会社から給料をもらいたい会社員にとっては、フルリモートは素晴らしい福利厚生となります。

特に成果が曖昧な日系大企業+フルリモートの組み合わせは悪魔的で、無限にサボれてしまいます。 サボっても給料は満額振り込まれるので、意識が低い会社員にはメリットが大きいでしょう。

一方で、「会社で成果を出して成長したい」という会社員にとっては、フルリモートは必ずしも良いことばかりではありません。 横にいる人にすぐに話しかけられないのは想像以上にデメリットが大きいです。

気軽に聞けないし、気軽に議論もできません。

「軽く話せる」というのは、集団で仕事をする上で重要なのです。

特に新人からフルリモートの環境だと、時間あたりの成長は確実に遅くなるでしょう。

既に十分に成長したシニアからすると、いい感じにサボれるし、時間も有効に使えるので、むしろフルリモートの会社を狙うのはアリかもしれません。

フルリモートで時間を有効活用して、人生を充実させましょう。

会社にとっては、基本的にフルリモートは生産性が落ちるので、導入したくないのが本音でしょう。 絶対に社員はサボっています。

誰にも見られないと仕事をサボるのは、普遍的な法則と言えます。

一方で、フルリモートに味をしめた会社員が、「フルリモートじゃないと子育てとか無理だよ〜」などと言って、退職をほのめかしてくるかもしれません。

フルリモートを福利厚生にして、有利に採用を進める戦略も取れるでしょう。

とはいえ、個人的には「フルリモートじゃないと働けない社員」など採用するべきではないと思います。 優秀だとしても、対面でコミュニケーションを取れない弊害の方が大きいからです。

フルリモート勤務のメリット・デメリットを両方経験した会社員が本音で語る

様々なメリット・デメリットがあるとはいえ、2023 年以降はフルリモートを廃止する会社が増えてくるのは間違いないです。

フルリモートは会社が利益を上げるうえではデメリットが大きすぎるからです。もうみんな気付いているんじゃないでしょうか。

フルリモートだと社員同士仲が悪くなりがちだし、ギスギスするし、新しいアイデアとか議論しにくいし、心を開けないし、仲間もできないしで、「チームで何かを生み出す」上でのメリットはほぼありません。

フルリモートは福利厚生です。会社にとってはマイナスの方が圧倒的に大きいです。

「フルリモートで生産性が上がる!フルリモートで仕事できないっていうのは甘え」などという会社員は、完全に既得権益になっていて、「自由にサボる権利」を手放したくないだけです。

真面目に働きたい人はフルリモートはやめておいた方が無難です。


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