この記事ではフルリモートの環境で退職を切り出すときに私が何をしたか、どうしたかを共有します。
普段の業務は対面なしで、やり取りは原則チャットです。 会話するときは、Teams や Google Meet、Zoom で行っていました。
社外の人に会うこともありませんでした。外部委託の方とお話するときも Meet です。
「フルリモート勤務の会社」では本当に、全く家から出ずに仕事が完結します。
この記事では、フルリモートで業務していて、退職をどう切り出すか迷っている方のためのに書きました。
退職のやり方について悩んでいる人は参考にしてください。
フルリモート環境での退職するまでの流れ
フルリモートでの退職は以下のような流れとなります。
- チャットで直属の上司に退職の意向を伝える
- 上司の上司を交えてミーティング
- 引き留め
- 退職届を提出する
それぞれの工程で何をしたのか、具体的に見ていきましょう。
ちなみにフルリモートでの勤務のイメージは以下の記事で掴めます。
【体験談】フルリモートの業務はどんな感じ?サボれる?転職してからキャッチアップするまで
チャットで直属の上司に退職の意向を伝える
「お話したいことがあるのですが、本日、お時間をいただけないでしょうか」と個別にチャット(DM)を送ります。
業務開始時間は特に決められてはいませんでしたが、業務開始後すぐにチャットしました。午前中です。
ポイントは、当たり前ですが、ダイレクトメッセージを使う点です。
退職を匂わせるときに、公開チャンネルは使うべきではありません。他の人に怪しまれてしまうし、雰囲気が悪くなります。
「話したいことがあります」と個別チャットした時点で、たいていの上司は"察して"くれます。
「了解です。ミーティングの設定をお願いします」
みたいな返信が来るので、そこで上司と 1 対 1 のミーティングを設定します。私は 15 分で Outlook に予定を入れました。
Meet や Zoom でテレビ会議をつなぎ、「お時間いただきありがとうございます」と挨拶した後、「今回の相談ですが、実は退職を考えております」と伝えます。
この時点で「想定している退職日」などを聞かれる可能性もありますので、あらかじめ考えておきましょう。
転職活動が終了した時点で退職を告げる人が多いと思います。
転職活動の終盤では、「希望入社日」の話もするはずですので、転職先に伝えた「希望入社日」から逆算して退職日を決めましょう。
私は退職してから 1 ヶ月は勉強期間にしたかったので、希望入社日の 1 ヶ月以上前を「希望退職日」としました。
微妙なニュアンスなのですが、退職を切り出す時点で「● 月 ● 日に退職します」と断定して、「宣言」してしまうのはマナー違反と取られる可能性があります。
あくまで「相談する体裁」で話しましょう。
「突然で申し訳ございません」と切り出し、「退職させていただきたく、今回お時間をいただきました」と伝えましょう。 その上で、「退職する決心がついている」という意思を、丁寧にしっかり伝えます。「退職を考えている」「退職を検討している」「退職の相談なのですが」など、あいまいな伝え方をすると、相手は「まだ退職の決心がついていない」と捉え、引き止められる可能性や、退職の交渉が長引く可能性があるので注意しましょう。 【退職の切り出し方】いつ・どう伝える?注意点や準備することマニュアル
実際の私の会話の内容は、以下の通りです。
😣「○○ さん(上司の名前)、お忙しい中、お時間いただき恐縮です。
少々言いづらいことではあるのですが...(少し間を置く)
実は...退職を考えております。
今後の手続きや引継の日程について相談したいのですが、よろしいでしょうか」
😨「な、なるほど...承知しました」
😣「申し訳ないです。
😨「いえいえ、よくあることなので...。
一旦、私の方で預かって、○○ さん(上司の上司)にも話してみますね」
😣「ありがとうございます。リモートでこんな相談となってしまい、申し訳ないです。
よろしくお願いします」
こんな感じで話して、上司の上司を交えてミーティングに進みました。
上司の上司を交えてミーティングが行われる
私の場合は、直属の上司に伝えた当日に、上司の上司を交えてミーティングが設定されました。 どの会社でも、「直属の上司」→「部長」のような流れで会話が進むはずです。
あなたが課長の場合は、「部長」に退職の相談をしましょう。
そこで改めて退職の意向を伝えることになります。
この場で聞かれることは以下の内容です。
- 退職日はいつか
- 次は決まっているのか
- 現在持っている業務は何か
- 引継はどう進めるか
その後、別途対面のミーティングが設定される場合もあります。
会社によりますが、人が滅多に辞めない日系大企業の場合は上司が狼狽して、かなり強く引き留められるかもしれません。
中小企業だと人が辞めて当たり前というか、毎月誰かが辞めていくので、退職を切り出したとしても、あまり驚かれたりはしません。 かなりあっさりしています。
とはいえ、頑張って働いている限り、どんな会社でも引き留めは行われます。
【IT・WEB エンジニア向け】おすすめ転職サイト|各サイトのメリット・デメリットを年収 1000 万超の現役エンジニアが徹底解説
引き留めのプレッシャーをどうやって、かわすか
形式上、どの会社でも退職者の引き留め作業はあると思います。
業務はずっとフルリモートでしたが、引き留めの際は偉い人に「対面で会話できませんか」と言われました。
対面でお互いが会える場所と時間を相談した上で、打ち合わせを設定します。
フルリモートが前提の会社だと、「会社の会議室で引き留めの話をする」とならない可能性があるのが面白いところです。
だって普段は会社の会議室なんて使ってないですから。それに、「出社がイレギュラー」なので、出社するのに周りに連絡しなければいけない会社もあります。
引き留めの会話は
- 会社で待ち合わせる
- カフェで落ち合う
- リモートで行う
みたいな様々なパターンがあります。
引き留めの際は「辞めたい理由」だったり、「会社の問題点」などを聞かれると思います。
立つ鳥跡を濁さずを心がけつつ、正直に答えるのがいいでしょう。
引き留めの段階まで来たら、こちらとしては後には引けません。
「辞めます」と言って引き留められて、「やっぱり辞めるのをやめます!」と引き返すわけにもいかないでしょう。
そんな人間は評価も下がってしまいます。信用もされなくなります。
引き留めてくれた方には申し訳ないですが、断固たる決意で辞めましょう。
次がもう決まっていることを話して、「次の入社を考えると、○ 月までに退職したいです」という具体的な時期を伝えます。
「次も決まってないんですよ。でも辞めたくってぇ」みたいなメンヘラ仕草をすると、「じゃあ辞めるなよ」と論破される可能性もあります。
仕事を辞めるのは次が決まってからにしましょう。
【絶対やっちゃいけない転職】今まで転職相談を何百人と受けてきましたが、最もやってはいけないのは、今の仕事を辞めてから次の職を探すことです。
— 田端@おっさんYouTube再始動 (@tabbata) September 23, 2022
辞めてスッキリしてから探したいという気持ちはわかりますが、給料交渉などで立場が弱くなりますし、リスク管理が出来てない甘ちゃんだと思われます。
もしあなたがフルリモートで退職したいけど、次が決まってない場合、ちょっと深呼吸してください。 どんなに上司がムカついて、会社が嫌だったとしても、次が決まるまで退職報告をしてはいけません。
退職を切り出す前に、絶対に転職エージェントに相談してください。フルリモートの場合は転職活動もものすごくやりやすいので、次を決めずに辞めるのはもったいないです。
退職届を提出する
退職届をどうやって提出するのか気になる人もいるでしょう。
私の場合はメールで提出しました。
退職届は会社指定のフォーマットがある場合と、ない場合があります。
フォーマットがない場合はインターネット上のテンプレートを利用します。
すぐに使える退職届・退職願テンプレート(Word・PDF)|書き方・見本付き
退職届には押印が必要です。
私は家にスキャン機能つきのプリンタがあるので、Word で文書を作ってプリントアウトして、押印して pdf をパソコンに取り込むようにしましたが、 家にプリンタがない方はセブン − イレブンの「かんたん netprint」を活用するのが良いでしょう。
ユーザー登録なしでセブン − イレブンで印刷「かんたん netprint」
上司に退職届を提出し、別途、人事部宛にも退職届を出しました。
人事部から退職の理由などをヒアリングされたので、素直に退職理由を伝えました。
その後、人事部から退職に向けての作業をまとめた資料が送られてきます。
貸与されていた PC などもリモート環境からの返却です。ただ、私の場合は距離的に会社から近かったのもあり、一部の備品は直接返しに行きました。
会社の荷物を送る
フルリモートの場合は、自宅から会社に郵送で荷物を送ります。
「自分が最初のフルリモートでの退職者」でない限りは、会社にもマニュアルがあります。
「これとこれをここに入れて、ここに送ってください」という指示通りに荷物を送付しましょう。
パソコンやモニタ、社員証などを入れて、宅配で送付します。
パソコンは初期化します。Apple ID と Apple のパスワード、2 段階認証用の端末がないと iPad は初期化できないので、MacBook を初期化する前に Apple は初期化した方がいいです。
リモート上で荷物を返して、退職完了です。
最後の給料が支払われて、離職票を送ってもらいます。
次の職場に入るまでに期間があく場合は、社会保険の切り替えと、国民年金の手続きが必要です。
次の職場に入る際は、住民税を普通徴収(個人納付)から特別徴収に切り替えた方が楽です。
どうしても退職を切り出す勇気がない人は退職代行を使う
会社辞めた人を「裏切り者」扱いして、有休消化や退職手続きで嫌がらせしたり、退職前日まで仕事振ってゴリゴリ働かせたりする会社があるけど、そういうの絶対やめた方が良い。退職後、何かあった時に助けてくれなくなるし、「あの会社はやめといた方が良い」と噂にされてしまう。人事異動とかも同じ。
— 安斎 響市 @転職デビル (@AnzaiKyo1) July 22, 2022
まともな職場であれば、自分から上司に退職を伝えるのが筋です。社会常識でもあります。
一方で、世の中にはとんでもなくパワハラ気質な会社や、まともな会話ができないようなヤバい職場もあります。
灰皿が飛んでくる証券会社であったり、椅子やロッカーを蹴る阿呆がいるような会社です。
そういう会社で退職を切り出すと、何かと嫌がらせをされたり、いじめられたりロクなことがありません。
判断基準としては、有給取得ができない会社は黃信号です。 風邪で休めない会社は赤信号ですね。
ブラック企業には退職代行を使いましょう。
29,800 円で退職の連絡を代行してくれます。

安くて確実で、被害に遭わずに済むので、どうしても怖い職場から逃げたいときは退職代行を活用しましょう。
私も新卒で勤めた会社で退職を切り出すときは、心臓が破裂しそうになるくらい緊張しました。 何か嫌味を言われたときのために、録音の準備もしていたほどです。
常識が通じない会社で、礼儀にこだわる必要はありません。そもそも会社側が常識ないんですから。
やばい職場からはさっさと逃げましょう。従業員が奴隷のように扱われるやばい職場に限って、働いている人は逃げられないと洗脳されています。
まぁ、フルリモートで退職が言いづらい、という人はなかなかいないかもしれませんが、とにかくダメな会社からはすぐに抜け出しましょう。 嫌な環境にいつまでもいても、人生のプラスになりません。
辞めたいけど迷っている...という人は、転職活動の一歩を踏み出すと人生変わります。
転職はオプションなので、条件が良ければ転職すればいいし、悪かったら無視すればいいんです。 自分が市場でどれくらいで売れるのかもわかるし、転職活動をして損することは一つもありません。
退職後の人間関係はどうなるか?
退職後は利害関係がなくなるので、退職後も関係が続くかは人によります。
ツイッター上でつながっているパターンも多いかもしれませんが、ツイッター以外でつながるケースはほぼありません。
「ツイッターを通じて、薄く、弱くつながりをキープする人もいる」程度です。
フルリモートだと、チーム飲み、職場飲みが発生しません。
フルリモートでもコミュニケーションは取れますが、1 度も対面せずに仲良くなるのは不可能です。 ビジネス上の関係が全てであって、普通に雑談するような仲にはならないでしょう。
つまり、フルリモートで退職すると、それ以降はまず会わなくなります。会話することもなくなるでしょう。
人間関係が消えてしまうのです。
まぁ、フルリモートでなくても、職場の人間関係などは消え失せるものですが、それでも新人研修があったり、対面で一緒に仕事していたメンバーとは多少の絆は残るものです。
フルリモートでは一切そういうのがないです。「飲みニケーション」という単語は馬鹿にされがちですが、職場の人間関係を円滑にするためには、飲みに行って仲良くなるのは地味に大事です。
フルリモートだと 90%のコミュニケーションは文字情報のみになるので、人となりがほとんど伝わってきません。どちらかというと、イラッとすることの方が多かったです。
結論、フルリモートで中途入社すると、人間関係は「その職場のみ」となる傾向が強いです。