これまで何社かでフルリモート勤務を経験してきました。
リモート環境では、どの会社でもコミュニケーションの不足や、社内への帰属意識の低下に伴う退職の増加に悩まされていました。
フルリモートなのは制度なので仕方がない。
それでも何とか社員同士のコミュニケーションを促進したい、という悲痛な思いを抱える組織はたくさんあります。
コロナが騒がれていた頃、多くの人がリモート飲み会やリモート座談会を開いたりしていました。
座談会を開いた結果、「やった感」はありましたが、その効果は限定的で、誰も仲良くならならず、盛り上がりもせず、散々な後味だけが残りました。 本当に白けきっていたのです。
リモートのコミュニケーション施策は 100%スベります。
特にフルリモートはダメです。コミュニケーション施策が成功した試しがありません。
そもそも 1 度も会って話したことがない人と仲良くなれるわけないでしょう。
会社みたいなフォーマルな環境のコミュニケーションで、ありきたりなことしか語らないのに、その中でどうやって打ち解けていくのでしょう。
要件を伝えない会話で仲良くなっていくのに、要件の無いリモートミーティングはうざいだけです。
会社内でのリモートコミュニケーション促進施策は 100%失敗します。企画させられた人が可哀想です。
「コミュニケーション」というのは、ただ報連相をするだけの話ではありません。報連相するだけならリモートで十分です。
組織に感じる心地よさ、仲間との連帯感、会社への帰属意識などを向上させるためのコミュニケーションは、ただの報連相では育まれません。 もっと人と人のつながりが必要なのです。
人と人は業務上のフルリモートではつながりません。 人となりを語る機会がないからです。
何らかの施策内で「自己紹介」したとしても、人柄は伝わりません。 人柄がわからない人間を好きにはなれません。
好きじゃない人に連帯感は持ちません。 ここでいう「好き」とは「信頼感」や「仲間意識」と読み替えてもいいです。
体育会の部活やサークル活動のように、一緒に目標を追いかける仲間意識は、同じ空間からしか生まれません。
リモートワークのコミュニケーションの課題
まずオンラインでのコミュニケーションは会話のテンポが悪くなります。
誰かが何かを喋ったあとに、回答するまでの間が気持ち悪いのです。
直接会って話すのに比べて、リモートでは誰かが話してから誰かが答えるまでに 0.5 秒のラグがあり、これが決定的な違和感になります。
「聞いて」→「話す」の切り替えのタイミングが難しいので、雑談が盛り上がらないのです。 正確に言うと、聞いて話すことはできますが、会話を盛り上げる「間」が掴めないのです。
1 対 1 のオンライン会話はまだマシです。
問題は集団で会話するときです。
「誰かが話して、それに対して誰かが回答する」というバトンの受け渡しが必要ですが、バトンが見えません。 対面だと、雰囲気で「次はこの人が話すよな」というのを感じられますし、人の表情を見ながら自分の話を差し込むことができますが、オンラインではその「雰囲気」がわからないのです。
だから、いちいち Zoom で挙手したり、「よろしいですか?」と聞いてから話さなければならないのです。
業務上ではそれでいいのですが、雑談は盛り上がりません。
誰かの会話が終了した 0.1 秒後に雰囲気で別の誰かが話し始めるのと、誰かの会話が終了した 1 秒後に探り探り誰かが話し始めるのとでは、会話のテンポに大きな差が出てしまうのです。
この 1 秒のラグが決定的にコミュニケーションを阻害します。
元々仲良かった人たちでさえ、リモートの会話は難しいのに、仲良くもない表面上の付き合いしかできないフルリモートのメンバーがリモートコミュニケーションで仲良くなれるわけがありません。
やっても無駄です。
Gather は絶対に過疎る
どの会社でも Gather を取り入れてましたが、全部過疎ってました。みんな使わなくなりました。
Gather とは、ドラクエみたいに仮想の部屋を用意して、会話しやすい雰囲気を作るようなツールです。
キャラクターに会話させると、「リアル感が出るだろう」と採用はするのですが、まじで全部過疎ります。
というより、直接その人の席に行って会話した方が 100 倍良いです。 Gather で話しかけるのと、リアルで話しかけるのは全く違います。
Gather の画面上で会話するのは、Slack でハドルするのと全く変わらないです。画面上でキャラクターを動かすのはほぼ無意味で、ただ動かす時間が無駄なだけです。
一緒にゲームとかやれたら仲良くなれるかもしれないですね。
ビジネスのリモート会話で仲良くなるのは無理です。Gather をやっても一体感も生まれません。 普通にハドルミーティングを始めた方がいいです。
Gather でキャラクターを動かしても全く意味はないし、そもそも Gather に入るのも面倒になります。メリットがないからです。
陰キャの「リモートで十分」という意見は無視するべき
エンジニアは職業柄なのか、コミュ症の陰キャが多いです。特に男に多いです。 他人の感情を推測する能力が欠けているため、いちいちカチンと来る発言をする奴もいます。
そういう陰キャに限って、リモートを好む傾向にあります。あの手この手でリモートのメリットを述べ、家に引きこもろうとします。
陰キャのポジショントークは組織にとって有害です。
リモートワークがしたいなら、業務委託で仕事を請け負って、 1 人で仕事していればいいんです。
チームを作り、みんなでプロダクトを作り上げるなら、同じ空間で働いたほうが 100%間違いなく効率が良いし、良いものが作れます。
同じオフィスで近くで働いていると、「こうすれば良いプロダクトになるんじゃないか」という雑談が始まり、議論し、それがプロダクトに反映されていきます。 同じ空間での会話を通じて、方向性が固まっていくのです。
フルリモートだとそういう会話が全く生まれません。 JIRA で管理されたタスクを淡々とこなして、タスクを Done にしていく作業ゲーになりがちです。 非モテで陰キャなコミュ障はそれでいいかもしれませんが、コミュニケーションを取らないと段々と雰囲気が悪くなります。
非モテで陰キャなコミュ障はチャット上の文字情報だけだと余計にムカつくことが多いのですが、非モテで陰キャなコミュ障に限ってチャット上から出ようとしません。 ただただ雰囲気が悪くなって、お互いに信頼感がなくなっていきます。
リモートワークのコミュニケーションのデメリット
文字情報だけだと感情的にネガティブな伝わり方をしやすい点がデメリットです。 絵文字を駆使しないと冷たい印象になってしまうこともあるでしょう。
ただ、コミュニケーション能力の低い奴に限って絵文字すら使わずに、文章で他人に気遣うこともなく、他人を苛立たせます。
何かアイデアが浮かんだときも、軽く雑談するのは簡単ですが、いちいちチャットで送るのは心理的にも大変です。
「文字を打つほどではないが、軽く話したいこと」はたくさんあるはずです。リモートだと、そのギャップを埋める方法がない。
times チャンネルを作って、好きなことを書き込めるようにすることで、アイデアの吐き出すこともできますが、オフィスでの会話には及びません。 リモートワークとコミュニケーションは相反する概念で、オフィスワークに比べてリモートでのコミュニケーションは確実に悪くなります。
関係の構築も大変です。ずっと一緒に働いてきたメンバーがフルリモートに移行するのと、転職者、中途採用で人を受け入れながらフルリモートを継続するのは話が違うのです。
リモートワークが嫌なら転職しましょう。業務委託の人はフルリモートが多いです。
またフルリモートを福利厚生にすることで、採用競争力を確保しようとする会社もあります。そういう会社を狙っていくのも手です。
フルリモートでコミュニケーションを促進する方法
ないです。
週に 1 回くらいは会わないと大して仲良くなりません。
一緒にオンラインでスマブラやったり、ファイナルファンタジーをやれば仲良くなるかもしれませんが、仕事を通じてチャットで会話していたら段々とギスギスしてきます。 相当に気を使わないと、 Pull Request の指摘もなんか嫌な感じになってしまうし、何かを確認するのも棘があるように見えてしまったりもします。
文字情報だけだとフォローが難しいのです。 そしてコミュ障の陰キャは絵文字も使えないので、文字情報だけだとより一層ムカつく文章を書きがちです。
1 度会ったことがあれば、「こいつに悪気はないんだよな」みたいに許せる部分も出てくるのですが、ずっと文字でコミュニケーションを取ると、そいつが何考えてるのかわかりません。
なお、コミュ障は他人を不快にしていることにも気付かないので、なんかけっこう幸せそうです。 他人に何を思われても気にしない鈍感力の持ち主とリモートワークは相性が良さそうです。
コミュニケーション能力がある人ほど逆に不愉快を溜め込む傾向があります。
在宅勤務でのコミュニケーション不足の原因と解決方法
「ちょっといいですか?」と話しかけられないのが一番大きいです。 ハドルで気軽に声をかけられるようなルールを作ることで、コミュニケーション不足はある程度緩和できます。
何か議論が始まったらすぐにハドルするようにしましょう。 ハドルなしだとリモート環境でのコミュニケーション不足を解消するのはほぼ不可能です。
文字情報だけでのやり取りは本当に全然ダメです。 文字の方が正確に伝わりやすいし、記録に残る点は優れています。
しかしながら、何かを議論したり、認識合わせをする際に文字でやり取りするのはあまりにも効率が悪いです。 また人間が ChatGPT のように要件だけ理解できればいいのですが、文字情報によって感情を動かされてしまいます。
文字情報は感情がネガティブに触れやすいです。 対面コミュニケーションでよく使われる「前置き」であったり、「相槌」であったり、「一定程度の同意を示す仕草」などが使えないからです。
あとはとにかく絵文字使え。 コミュニケーション能力が低くてモテない奴らに限って、絵文字を軽んじています。
絵文字を使うだけで、印象が良くなったり、柔らかく感じたりするのに、ちょっとの手間を惜しんで「。」だけにして相手をイラッとさせる奴、シンプルに馬鹿だと思います。 いや、馬鹿です。
もちろん威厳がなくなったりもするので、マネージャー職であったり、経営層の人が「おっけーです 🥹」みたいな絵文字を使ったら「キモイ」というデメリットはあります。 コンサルタントでクライアントに「それはまずいんじゃないっすか 😅」みたいな絵文字を送っていたら、一瞬で信頼を失うでしょう。
TPO をわきまえて、チーム内のコミュニケーションに絵文字を使うのは大いにありです。というか使っといた方がいいです。おじさん構文でなければ、絵文字もそれほど悪くないです。
で、コミュニケーション能力のないツイッタラーみたいな奴は大体、ネチネチと反論を考えて「絵文字などいらん」文句言ってきますが、だからお前ら嫌われるんだよ。 お前らの嫌われ具合がエビデンスじゃないか。誰がお前のこと好きなん?
「絵文字はいらないんじゃないかな 😂」って書くのと、「絵文字はいらない」って書くの、どっちが読み手の印象が良いかって話なんですよ。お前たちには理解できないだろうけど。
リモートは既得権なので、ポジショントークでリモートのメリットを説く陰キャは無視するべき
「リモートの方が生産性が高い」とか、「リモートでも十分にコミュニケーションが取れる」などと主張する奴がいますが、無視しましょう。
陰キャなコミュ障が自分に居心地が良い環境を維持しようとしているだけです。陰キャのポジショントークがチームビルディングに役に立つことは皆無です。
まともにコミュニケーションを取ったことのないモテないな陰キャが「リモートでもコミュニケーション取れてる」なんていうのは、その陰キャの「コミュニケーションを取れてる」とみなす水準が低いからです。
コミュ力の低い人間の主張は無視しましょう。組織やチームの運営にとってはマイナスです。
馬鹿とハサミと陰キャは使いようなので、何らかのデスクワークで黙々とアウトプットを出してもらうには、陰キャも有用でしょう。