転職活動で面接を突破するコツがあります。
タイトルの通り、シンプルなものです。
転職活動では、質問される内容は似ています。どの会社でも似たようなことを聞かれます。
なので、まずは想定質問と回答を準備しましょう。
回答はノートに書くのではなく、PC 上でテキストに書き込み、新しい質問をされるたびに追記します。 面接を繰り返すたびに想定回答集は強化されていきます。
想定質問集はこの記事内でも紹介します。まずは企業研究のやり方から紹介します。
企業研究は有価証券報告書と決算報告資料を読み込む
そして、企業研究も重要です。 企業研究というと、学生ノリだと「OB 訪問」をしたり、業界研究を想像するかもしれませんが、社会人の転職における企業研究は、「企業分析」です。
企業研究は「カジュアル面談前」にやっておきます。カジュアル面談前に企業研究しておくことで、カジュアル面談ではより深堀りした質問ができるからです。
転職活動では大量の会社を一気に受けまくるので、1 つ 1 つの企業に多大な労力を費やしている暇はありません。 最も効率が良いのは「有価証券報告書と決算報告書を読み込むこと」です。
有価証券報告書まで読めば、その会社が何をしようとしているのか、どんな課題を抱えているのかがわかります。
有価証券報告書に書かれている課題感は企業全体で共有されているような重要なものなので、面接中に話せば「この人はわかっているな」という印象を持たせることができます。
有価証券報告書は文字が多くてわかりづらいし時間がかかるという人は、最低でも決算報告資料を読み込みましょう。
「〇〇(会社名) IR」で検索すれば、企業の IR 資料のページが見つかります。 そこに決算で投資家に説明するための「決算説明資料」があります。
プレゼン用にシンプルにまとめられた情報で、短時間でその会社の現状を掴めます。
上場企業の面接を受けるときは、決算報告資料は絶対に読んでおかなければなりません。最低限のマナーともいえるでしょう。
余談ですが、学生がやっている「OB 訪問」はほとんど意味がありません。 OB 訪問するような会社はおそらく学生に人気がある大企業ですが、大企業で OB 訪問に登場する 2〜3 年目の社員などは、仕事のことなど何もわかっていないからです。
ペラペラな回答をそれっぽく言うだけで、具体的な中身のある回答は得られません。
OB 訪問するくらいなら OpenWork、転職会議、Indeed などの口コミを目を皿にして読み込みましょう。
ネガティブな回答の方が実際の姿に近いです。 ポジティブな回答は、現状を肯定したい人間のバイアスがかかりすぎていて、あまり役に立ちません。
上場していない会社の企業研究はどうする?
上場していない会社を受ける場合でも、ウェブ上に情報はたくさんあります。 最近のベンチャーなら、CEO が note で発信しているケースもあるし、エンジニアなら技術ブログがあるでしょう。
どの企業も採用のためにあの手この手で企業の魅力を伝えようとしています。
1 時間もかからずに一通り目を通せるので、ウェブ上にある情報はとりあえず全部流し読みしておきましょう。
キーワードを拾っていく意識で読んでいくのが重要です。細かく全部覚える必要はありません。
企業研究して事前に質問を 5 個作っておく
面接の最後には必ず、「何か質問はありますか?」と聞かれます。
質問は 5 個用意しておきましょう。
全く興味がない会社でも、3 つは用意したほうがいいです。事前に質問を考えずに聞いても、質問はあまり浮かんできません。 何より、面接中に質問を考えようとすると、脳が並列に動いてしまい、ものすごく焦ります。冷や汗をかきます。
事前に考えておいて、テキストにメモしておきましょう。
質問のインプットに企業ブログの内容や、決算報告資料の内容を混ぜ込むと、間違いなく「よく調べてくれているな」という印象を与えることができます。
リモート面接は画面を 2 つ用意して、横に想定回答を映しておく
最近の面接はリモートでやることが多いでしょう。 私は 20 社くらい受けましたが、すべてリモート面接でした。
パソコンとモニタを用意して、パソコンに Zoom や Meet を映し、横のモニタには想定回答集や質問内容のテキストを表示しておきましょう。
面接の想定回答は繰り返すのである程度記憶できるものですが、企業への質問はその場限りなので、だいたい忘れます。
リモート面接の利点を活かしましょう。モニタに映しておくのです。
モニタがない人は iPad でも構いません。
とにかく合法的にカンペを用意できる状況なのだから、利用しない手はありません。むしろカンペを用意しないのはマヌケともいえます。
目線をちょっと横にずらすだけで見える位置にカンペを設置しましょう。これは悪いことでも何でもないです。会議のアジェンダのようなものです。
リモート面接では顔は明るめに、パソコンの位置は高めに
リモート面接では顔が明るめに、目線が上がるような位置にパソコンをセットしましょう。 見た目が印象に与える影響は大きいです。
中にはリングライトで顔を照らすように言う人もいますが、普通にデスクライトをつけておけば、顔は明るく見えます。
ダメな例は以下のような画角です。
顔が暗く見えるし、見下ろすような印象になります。 声も通りづらくなるでしょう。
相手の印象を意識しない人間は無能です。見せ方を検討してください。
想定質問集
以下のような項目全てについて、テキストで 3 行くらいで回答をまとめてください。 エピソード系の質問の回答は STAR テクニックを使ってまとめます。
どんな Situation(状況)で、どんな Task(課題)があって、どんな Action(行動)を取り、その Result(結果)、どうなったか。
- 自己紹介をしてください
- 志望動機
- 今回の転職の軸はなんですか
- 併願企業はどこですか
- 将来のキャリアイメージ(1 年後、2 ~ 3 年後、5 年後)とその理由
- 転職することで変えたい点・実現されたい点について
- 苦労したこと、その苦労から学んだこと
- 企業、会社選びをする際に大事にしていること(転職軸の亜種)
- 現職の退職理由(現在、なぜご転職活動をされているのでしょうか?)
- 自身の強みと弱みについて
- ストレスが溜まっている時の解消法はありますか?
- ご自身の良いところは何か?またそれを伸ばすにはどういう環境だと良いか?
- ミスをしてしまった時に何を大事にして対処してきたか?
- タスクがたくさんある時はどう処理していくか?
- これまでの仕事でやりがいを感じたこと(具体的なエピソードで)
- これまで大変だったこと。それをどう乗り越えたか。
- 求めるスキルや知識を最短でキャッチアップするために心がけいること。
- マネジメントのご志向性やこれまでの経験について
- 今までのプロジェクトで成果を残せたこと・アピールしておきたい経験
- 今までのプロジェクトで失敗したこと
- 一番の失敗は何か
- 今までのプロジェクトで乗り越えたこと
- ブランチの管理方針は?
- テストはどのような方針で作っているか。テストについて
- フロントエンドの状態管理はどうしている?
- プロジェクトの規模、コンポーネント数
- 好きなプログラミングゲントとその理由
- 最も成果をあげたエピソードは?
- 上司からどんなフィードバックを受けた?
- チームを作るときに気をつけていること
- チームをリードするときに気をつけていること
- 自分の足りない部分
- レビューでどんな指摘をするか
- 現年収と希望年収
- 勤務可能な時期
- 新卒就活時の軸は?
- 新卒就活時に内定をもらった企業は?
- どんな働き方をしたいか
- これまで働いてきて大事にしてきたことは何か
- どういったキャリアを歩みたいのか
- 適正があると思う職種は何か
- 現職の不満な点は何か
- この会社で何がしたいのか
STAR テクニック
上でも書きましたが、エピソードの質問は STAR で回答しましょう。
STAR とは、「Situation(状況)」、「Task(課題)」、「Action(行動)」、「Result(結果)」の頭文字をとった言葉です。
- S (状況): 状況を設定したり、実際に経験したこと
- T (課題): その状況にある課題は何かを
- A (行動): それを知って、行動したか
- R (結果): あなたの行動は、どのような結果をもたらしましたか
現状の業務の内容について説明できるようにしておく
現職の業務についてもかなり深堀りされます。
以下のような内容を中心に、業務の内容について技術的な質問にはすべて答えられるようにしておきましょう。
- どんな技術を使ったか
- どんな課題があったか
- どうやって問題を解決したか
- システムのアーキテクチャのどこに問題があったか
- アルゴリズムのどこに問題があったか
- どんなサーバの構成で、どういう風にデータを処理していたのか
- 困難の原因は何だったのか
- どういう風にチーム開発しているか
コーディング面接
コーティング面接は 3 種類あります。
1 つ目は競技プログラミング型です。
コンピューターサイエンスの基礎というか、主にアルゴリズムとデータ構造を駆使したパズルを素早く正確に解き、論理的に説明する能力が問われます。
Google などの外資 IT,LINE 社などはこのタイプのコーディング試験が課されます。
2 つ目は課題提出型です。
3 つ目は、1 問 1 答型です。 AWS では 1 次面接でコンピューターサイエンスの基礎知識を 1 問 1 答で回答してきます。
出される問題は幅広く、普段からちゃんと勉強していないと太刀打ちできません。
普段から勉強を続けた上で、応用情報・基本情報レベルのテキストを復習して臨むのがいいでしょう。
AWS の 1 次面接の技術試験で聞かれること
余談ですが、AWS の 1 次面接の技術質問で聞かれた内容の例です。 普通にウェブ開発していれば業務でだいたい触れるような内容ですが、SIer に長くいるとだいぶ忘れてしまうかもしれません。
インフラ側の知識も要求されるので、幅広く勉強しておかなければなりません。
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フロントエンドの技術質問
React の技術質問!!これで面接を圧倒すべし!が参考になります。 実際こんな感じの内容が聞かれます。 技術面接ではない普通の面接中にしれっと聞かれるので、ある程度準備しておきましょう。
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