エンジニア転職のリアル

リファレンスチェックで現職の上司に転職活動がバレる?デメリットばかりの最悪の制度

2022/07/18に公開
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面接の過程でリファレンスチェックを課す会社があります。 有名どころだと以下のような企業です。

  • SmartHR
  • パーソルイノベーション
  • メルペイ
  • BASE
  • 楽天
  • PayPay

「採用して終わり」ではない。SmartHR 人事が考える、ミスマッチを防ぐ方法とは。

上記に挙げた以外でもリファレンスチェックを課す会社が増えています。

増えている理由は 2 つあります。

リファレンスチェックを扱う back check 社のような企業が

「採用のミスマッチを減らせますよ」

と営業をかけまくっているのが第一の原因です。

具体的には、従来のリファレンスチェックサービスの単価が 1 件あたり 4 ~ 10 万円なのに対し、back check は 1 カ月定額で使い放題。 プランにもよりますが、1 件あたり従来の 1/5〜1/10 以下の金額でご提供させていただいております。

特に以下の提灯記事にもあるように、backcheck は定額使い放題なので、企業側としては気楽に使えて志望度を測ることができる、というメリットがあります。

元部下が忖度なしでガチ評価! 田端信太郎の仕事ぶりを「back check」でリファレンスチェック!

もう 1 つは、「ミスマッチを減らす」という名目のためです。

エンジニア採用が活発なので、一定数の割合でミスマッチが発生しています。 多額のコストをかけて採用して、ミスマッチがあると非常に残念です。

日本企業は一度雇用した人を簡単には解雇できないので、採用ミスマッチのダメージは大きいのです。

なんとかミスマッチをなくしたい!でもコーディングテストを課すほど、採用に時間をかける余裕はない!

...ということでリファレンスチェックを課して、信用に足る人物かを確認するわけです。信用チェックを他に投げるわけですね。

「お前のスキルが信用できるかはわからんし、判断するほど時間もかけてられないから、自分で証明しなさい」ってことです。

back check 社の提灯記事では「リファレンスチェックの依頼もできないのは辞め方が悪いからだ」などと書かれていますが、冗談は休み休み言いましょう。

普通に考えて、リファレンスチェックを頼まれる側の上司も、何のメリットもなく 30 分も時間がかかるアンケートに答えたり、自分の顔写真をよくわからない会社に送るのは抵抗があるはずです。

会社から飛んできたアンケートだって、回答するのは面倒ですよね?業務でもないのに、退職する人間のためにアンケートに答えるのって面倒じゃないですか?

リファレンスチェックは求職者にはデメリットの方が大きく、多くの人を不幸にして金を稼ぐ仕組みだと考えています。

リファレンスチェック屋は、コロナ禍の PCR 業者に近い悪質な商売です。

リファレンスチェックは「合意」しない限り行われない

リファレンスチェックを受諾するかしないかは、受ける側で決めることができます。 採用過程にリファレンスチェックがある会社だからといって、突然会社の上司にメールされて、評判を根掘り葉掘り聞かれたりはしません。

こちらがリファレンスチェックの実施に合意して、リファレンスチェックを依頼する人を選んだ上で、返事をします。

すると、リファレンスチェック実施企業が、現職または前職の上司・同僚 2 名にメールを送信します。

リファレンスチェックでは職場での成果や評判、実績や性格についてヒアリングされるようです。

当然、転職活動をしていることは職場にバレます。100%バレます。本当に迷惑です。

いきなり「リファレンスチェックお願いしまっす〜」と頼まれて、転職活動していることに気付かない間抜けは世の中にいません。

また、リファレンスチェックの作業は 30 分〜60 分かかります。60 分もかかるアンケートに答えるのは自分のことでも面倒くさいですよね。

そんなアンケートを、現職を辞めようとしている人間のために、プライベートの時間を無駄にしてこなさなければならないわけです。

大迷惑です。なので、リファレンスチェックを依頼するときは Amazon ギフトカードを 1 万円分渡すのがマナーです。 貧乏な人は 1 万円渡したくないかもしれないですが、最低でも 5000 円くらいは渡しましょう。

リファレンスチェックは貴重な時間を奪われるものすごく不愉快な作業です。

リファレンスチェック業者以外は誰も幸せにならない最悪の仕組みです。

頼む側も頭を下げて、気を使って、ごめんなさいと言いながらお願いしなければいけません。 頼まれた側も無下にはできないと思いつつも、「なんでこんなことやんなきゃならねえんだよ...」と嫌な気分で面倒な作業を強いられます。

かといって、「転職活動がバレるので、直属の上司には頼みづらい」というと、今度は「では前職の上司や同僚に頼んでください」と言われます。

いやそれ、何か意味あるの?いつの時代の俺を知りたいんだよ、スキルアップしてるよ!と言いたくなるでしょう。

3 年前の情報を集めても何の意味もありません。人間は成長するからです。

リファレンスチェックは単なる嫌がらせです。

リファレンスチェックをすると志望者としてはもう後がなくなるので、「志望度の高さを確かめる」くらいの効果はあるかもしれません。

「リファレンスチェックをするとマッチングがうまくいった!」と呑気なこと言ってる採用担当者は目を覚ましてください。

マッチングするくらい志望度が高い候補者でないと、そもそもリファレンスチェックを受けないのです。 リファレンスチェックやったら職場にバレるから、相当の覚悟がないとやらないんです。

つまり、リファレンスチェック自体には何の意味もありません。

転職で面接を突破するコツ|想定質問と回答を事前に準備して、有価証券報告書とブログを読み込め

「外資ではリファレンスチェックが当たり前」という意味不明な理屈

リファレンスチェックを正当化するために「外資系ではリファレンスチェックが当たり前」などとよく言われます。

en japan の調査では、 外資系企業の 58%、日系企業の 23%がリファレンスチェックを実施しているとのこと。

日系企業の 23%は体感より多い気もしますが、5 社に 1 社はリファレンスチェックがあるということですね。

外資系、というか海外では経歴を盛りまくって語る人間があまりにも多いので、リファレンスチェックせざるを得なくなった、というのが実情のようです。

Google やアマゾンジャパンでもリファレンスチェックはあるとのこと。これだけの人気企業なら仕方ないですね。

これが実はいちばんの難所で、在職中の上司に頼んでもいい顔をされるわけはないし、ライバル企業へのリファレンスは書けない規定があるのも珍しくはない 働き始めてから Google に転職して退職するまでの話。

採用委員会に送る書類作成のために前の会社の同僚にリファレンスをお願いしたりして、結果待ちのお祈り。外資系では履歴書の内容の確認などのためにリファレンスチェックがあるので、会社を辞める際は後を濁さないことをおすすめします。 こうして私は Google に入った(営業・中途入社)

「外資なら当たり前」といっても、いま受けているのは日本企業だし、ここは日本です。

外資なら当たり前と日本企業の人が開き直る意味がわかりません。お前は外資ではない。

文化も慣習も違う日本で「外資で当たり前だからリファレンスチェックをやるんや」というのは、理屈としては意味不明でしょう。

別に嘘はつかん。それよりも上司にお願いするのが嫌なんや。転職が当たり前な海外と一緒にするなよ。

そして、リファレンスチェックをするなら試用期間をなくせよ、とも思いますよね。だってチェックしてるじゃんね。

リファレンスチェックは候補者には全くメリットがない制度です。

リファレンスチェックを頼む相手は上司か同僚

リファレンスチェックの依頼は現職または前職の上司か同僚に頼みます。

2 名のチェックが必要です。チェックにかかる時間は約 30〜60 分です。

正直言って、頼まれた方は大迷惑でしょう。特に現職の上司に頼むときは地獄です。

「私は転職活動しています!」と宣言するようなものですし、その上、会社を去る人間のために忙しい中、60 分ものアンケートに答えなければいけないのですから。

なので、繰り返しになりますが、リファレンスチェックをする際は Amazon ギフトカードを 1 万円分ほど渡すのがマナーとなっています。

クソ面倒くさくて相手にとって何のメリットもない仕事を無償で依頼するのはどんなに仲が良くても NG です。

前職の上司や同僚に依頼するとしても、それでも面倒なはずです。会社を辞めてしばらく経って、突然連絡がきたと思ったら「リファレンスチェックの協力をしてくれ」だと、誰もいい気分はしないでしょう。

求職者にとっては地獄でしかありません。

リファレンスチェックの何がクソなのか

求職者に大きな精神的な負荷がかかるリファレンスチェックです。 リファレンスチェックによって採用のミスマッチが減る、などと言いますが、そもそも意味はあるのでしょうか?

リファレンスチェックを頼む相手は求職者が選べます。

選ぶ相手は基本的に、良いことを書いてくれる人でしょう。 仲が良かった同僚に頼むかもしれません。

その場合は、さすがに悪口は書かないと思われます。 つまり、リファレンスチェックの評価はいくらでも改ざん可能なのです。

そんなリファレンスチェックに「能力を担保する保証」があるかといえば、ありません。

意味がないのです。認めましょう。やる意味がないと。

リファレンスチェックのメリットは志望度の確認

では、リファレンスチェックが会社側にどんなメリットがあるかというと、志望度の確認でしょう。

私の場合はリファレンスチェックがある時点で選考の優先度を下げます。

逆に考えると、よほど志望度が高くないとわざわざリファレンスチェックを受けようとはしません。

つまり、リファレンスチェックを受けて立つ求職者は、第一志望である可能性が極めて高いです。

というのも、リファレンスチェックの負担を考えると、複数回の依頼はできないからです。

リファレンスチェックがあれば、

「面接での話を盛れない」 「間違いなく志望度が高い」

という意味では、ミスマッチが減らせる可能性はあります。

リファレンスチェックを受け入れるくらいの会社に対してであれば、熱意も情熱もあるはずです。

志望度が低い会社に「リファレンスチェック受けてよ」と言われても、「だが断る」としか言いようがないからです。

多少の意味があったとしても、ただでさえ忙しい求職者に大きな負担を課すという点で、リファレンスチェックはクソであるのは間違いありません。

リファレンスチェックはなくなった方がみんな幸せになります。

転職活動をしながらリファレンスチェックは負担が大きすぎる

転職活動中は基本的に、多数の企業を比較しながら大量に面接を受けます。

毎日 1 社、多くて 2 社の面接が入ってきて、1 ヶ月半くらいで一気に転職を決めるパターンが多いでしょう。

実際、転職活動中は脳のリソースが転職活動でいっぱいになってしまい、余裕が全くなくなります。

現職の仕事を続けながらの転職活動は本当に大変なのです。

大量の面接が入る中でリファレンスチェックをお願いする、というのは想像以上に負担が大きい作業です。

なので、リファレンスチェックの対応をする場合は、「大量に受けている中の一つ」という転職活動ではなく、 Google だけ受けた、メルカリだけ受けた、みたいに 1 社をピンポイントで受けるパターンでないと難しいでしょう。

1 社だけピンポイントで受ける中でリファレンスチェックの対応をする、というのが現実的です。

上司にばれないようにリファレンスチェックする方法

うざすぎるリファレンスチェックを上司にばれないようにこなす方法はあります。

現在 2 社目以降の場合は、前職の同僚か上司にお願いすることです。

1 社目の場合は、現職の同僚にお願いすることです。

上司にばれるとろくなことがないので、最終手段にしましょう。

リファレンスチェックした後でも、普通に面接で落とされることもあります。

リファレンスチェックを依頼して現職に転職宣言して、さらに面接で落とされるなんてのは踏んだり蹴ったりです。 歴史に名を残すマヌケとも言えるでしょう。

リファレンスチェックはリスクが高い上に、求職者に 1 ミリもメリットがないクソ制度です。

リファレンスチェックのタイミング

リファレンスチェック=転職活動中、ということなので、日本企業の場合だと、転職先が決まっている状態で実施するのが良いでしょう。

複数の会社を受けて、1 社から内定が出ているタイミングで、別の 1 社のリファレンスチェックを依頼する、くらいのタイミングがベストです。

リファレンスチェックがある 1 社だけを受けて、その会社のリファレンスチェックをするのはリスクが高すぎると思います。

1 社内定が出てから、内定承諾〜オファー面談〜オファー承諾の間にリファレンスと最終面接を実施するくらいのスピード感でやるのがよいです。

採用担当者はリファレンスチェックよりもリファラル採用に力を入れろ

2022 年 9 月 2 日の日経新聞でMyReferが紹介されていました。

企業の採用担当者はリファレンスチェックのような、くだらないサービスに金を使うくらいなら、リファラル採用に力を入れてほしいです。

エージェントを使う場合に比べて採用コストも抑えられますし、リファラルで紹介するということは、紹介者は成果に責任を負うということでもあります。

社員に紹介してもらうのだから、無能には声をかけないはずです。採用されたら紹介者には 10 万円くらいのお金をもらえるので、みんなが幸せになります。

ただ、しょぼい会社だったら紹介するのも気まずいので、会社のブランド力を上げなければいけません。

リファラル採用を頑張りましょう。 リファレンスチェック(バックチェック)は迷惑だし、誰も幸せにならないので即刻やめましょう。

人を不幸にして、悩ませて、追い込んで、そんなことやってあなたは幸せですか?楽しいですか?

1 度始めたことをやめるのは勇気がいりますが、意味がないことを続けるのは馬鹿です。

リファレンスチェックは馬鹿による、馬鹿が自己満足するための仕組みです。

嘘を付く馬鹿に騙されないための低俗な仕組みです。

馬鹿から金を巻き上げ、リファレンスチェック屋が儲けるための仕組みです。

もうやめましょうよ!お金がもったいない!

求職者も、リファレンスチェックを課す会社は辞退してください。辞退しないから調子に乗ってリファレンスチェックなんてものを続けるんです。 リファレンスチェックをやる会社はキモいので、他の会社を選びましょう。


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