野村総合研究所は外からは高学歴ばかりのエリート企業にも見えるかもしれません。
私自身もそんなイメージはありました。中にいるのは東大・京大卒ばかりで、偏差値の低い大学は見下されるのではないかと。
実際はそんなことは全くないです。入社した後に学歴を意識するのは研修の時期くらいで、配属されてからは仕事ができるかどうかが全てです。
さらに面白いことに、偏差値と仕事の出来・不出来はほぼ関係ありません。無能は無能、有能は有能です。
実際の業務で出身大学を語る機会もありません。飲み会で「ああ、同じ大学だね」と話すくらいです。では、採用に学歴フィルターはあるのでしょうか。
野村総合研究所の採用大学はどこ?偏差値の縛りはある?
「野村総合研究所 採用大学」と検索するとある程度の情報は集まります。 就職四季報などに載っている以下のような情報は誤りではありません。
【採用大学】 慶應義塾大学 早稲田大学 東京大学 大阪大学 同志社大学 上智大学 青山学院大学 一橋大学 学習院大学 中央大学 明治大学 関西大学 お茶の水女子大学 東北大学 金沢大学 立教大学 関西学院大学 九州大学 日本大学 神戸大学 小樽商科大学 東京学芸大学 千葉大学 横浜市立大学 京都大学 愛知大学 大阪市立大学 立命館大学 横浜国立大学 筑波大学 東京理科大学 法政大学 会津大学 名古屋大学 津田塾大学 芝浦工業大学 大阪府立大学 岡山大学 弘前大学 東京電機大学 電気通信大学 東京外国語大学 北海道大学 兵庫県立大学 創価大学 東京工業大学 首都大学東京 九州工業大学 静岡大学 ほか
なんとなく色んな大学から採用しているのはわかるかと思います。
入社してから「え、こんな偏差値の私大から入るの?」と意外に感じることも多いはずです。
個人的な印象だと、MARCH は割と多いですが、日東駒専レベルはほぼいません。 いるのかもしれませんが、会ったことはありません。
慶應・早稲田はチームに 1 人はいるイメージです。
関西だと同志社・立命館も割といます。
あとは旧帝大出身は満遍なくいるイメージです。神戸・筑波もよく遭遇します。
大企業の中でも割と平均的な学歴・偏差値で、取り立てて偏差値が高い大学に偏っているとは感じません。
ちなみに中小企業だと出身大学の偏差値は一気に下がります。聞いたこともないような大学出身の人が多いです。
野村総研は理系学部卒でも採用されるのか?院卒ばかりか?
野村総合研究所では、院卒と学部卒は半々くらいの割合です。 アプリケーションエンジニアは文系・理系どころかどの学部かもほとんど問われません。
実際の業務でも、コードを書くのは 2 年目までなので、技術的に優れている必要はありません。
論理的に考えて、手際よくプロジェクトをさばく力の方がよっぽど重要です。 いちいちステークホルダーの調整が必要なので、スキルよりもコミュニケーション能力が重視されます。
コミュニケーション能力といっても、面白い話ができればいいわけではありません。 相手の立場にたって、win-win の関係を築ける気遣いができなければいけません。
テクニカルエンジニアはほとんどが理系です。 稀に文系はいますが、採用されるのは学生時代に何かコードを書いて作ってきた人です。
コンサルティングは学部も院卒も採用されます。どちらかというと理系が多いですが、論理的に物事を考えて、かつ英語が得意な人が採用される傾向があります。
コンサル部門は大学の偏差値は最低でも早稲田慶應、旧帝大レベルが求められます。コンサルは学歴の看板が重要なのです。
個人的には、理系でバリバリコードを書いてきた人は、野村総合研究所に入らないほうがいいと思います。 スキルを持て余します。
技術をやりたい人はだいたい会社を辞めています。
LINE やメルカリなどのメガベンチャーを目指しましょう。SIer では技術力は身につかないので、長くいると逆に大きなハンデを背負ってしまいます。
中途で学歴は見られるのか?
中途採用の場合は出身大学よりも出身企業であったり、職務経歴が重要になります。
どこの大学を出たかよりも、どの会社でどんな仕事をしてきたかが重要です。
というより、中途採用で「出身大学」を気にしているような人は、そもそも社会人になってからの自分の実績に疑問を持ったほうがいいです。
社会人になってから出身大学について聞いてくる人も、気にする人も基本的にはしょぼい人で、普通は出くわしません。
コンサル部門は東大出身が多く、偏差値が高い
NRI の採用はコンサルティング・アプリケーションエンジニア・テクニカルエンジニアで分類されていました。
学歴フィルターがほとんど無いのがアプリケーションエンジニアです。
コンサルティング部門は旧帝大、早稲田慶應以下の人はほぼいません。
というのも、コンサルティングはイメージが重要で、日本においては出身大学が大きくイメージに影響するからです。
クライアント企業だって、駒沢大学出身のコンサルタントにアドバイスされたくはないでしょう。優秀か否かではなく、イメージです。 イメージによる錯覚資産は大事なのです。
コンサル部門は東大・京大がボリューム層です。
英語力も必要です。TOEIC850 点以上を取らないと詰められたはずです。
コンサル部門を狙う人は、あらかじめ英語を勉強しておきましょう。
テクニカルエンジニア(TE)はコンピューターサイエンスを学んでいるのが重要
テクニカルエンジニアはコンピューターサイエンスの学位がある人がほとんどです。
大学の偏差値よりも、どの学部で学んだかが重要です。
大学時代から CS の学習に励み、何か手を動かしたり、インフラを構築した経験を積んでおきましょう。
中に入ってからは地味なインフラ管理業務がほとんどになります。
協力会社の管理、進捗の管理、アプリケーションエンジニア(AE)との調整がメイン業務になるので、せっかく身につけた情報処理の知識はあまり活かせないかと思われます。
テクニカルエンジニアで入社して、外資 IT に転職するパターンが非常に多いです。
NRI から外資 IT に転職すると、年収は 1000 万から 1800 万にアップします。
出世と出身大学は無関係。学閥も存在しない
どの大学を出たかと、中に入ってからの出世は無関係です。 業務で学歴を意識することもありません。
部署を異動すると、隣に座っている人の出身大学を知らないケースがほとんどです。
飲み会の場で軽く大学時代のことを話したりする程度です。
新卒で入社したときは「○○ 大学出身です!」と自己紹介しますが、どこかの大学だから贔屓されるとかはありません。
学閥とかもないです。少なくとも私は学閥なるものを見たことも意識したことも感じたこともありません。
学閥なんてものを気にするのは暇な人だけでしょう。仕事のアウトプットを見ろよ、と言いたくなりますね。
今の時代、学閥なんてものがある会社は 100%やばいので、学閥の匂いなんてものを感じたらすぐに転職しましょう。
野村総合研究所には学閥はないです。
少なくとも、社員の 99%は学閥を意識しないですし、私は 1 度もそんなものを見たことはありません。
役員の名前で Facebook で検索してみると小林一央さんのように、明治大学から役員になった人もすぐに見つかります。
本当に出身大学は全く関係ないです。中の人で気にしている人は誰ひとりとしていません。学歴は一切関係ないです。
ただ、プロパーか中途かでいうと、2022 年時点ではプロパーが役員まで出世する傾向があります。 というのも、1990 年代〜2000 年くらいまでは転職が一般的ではなかったからです。
これからは中途とプロパーの境目もなくなっていくでしょう。
キャリアパスはプロジェクトマネージャーのみ
野村総合研究所でのキャリアは人事がどんなに足掻こうと、この先 10 年は「PM 一択」です。
それもアジャイル開発を回したとかではなく、「どれだけ大きな工数のプロジェクトマネージャーを担当したか」が評価になります。
「1000MM のプロジェクトマネージャーをやってました」みたいな、工数の大きさで実績を語る傾向があります。
スキルじゃないです。工数です。
人が多く期間が長い、巨大プロジェクトを完遂したことがステータスになります。
NRI の中では「アジャイルを盛り上げていこう」という気風が生まれつつありますが、NRI の文化がアジャイルとは相容れないので浸透しないでしょう。
NRI で出世したいなら、とにかくでかいプロジェクトの PM の仕事を勝ち取ってください。