Rust に将来性を感じていて、実プロジェクトで Rust をやりたい、という人もいるかもしれません。 正直、2022 年時点で Rust を実プロジェクトで使っている会社はほとんどありません。
これから伸びるか、それとも一部のブームだけで終わるかは予想が難しいところです。
「Rust は 2016 年の調査以来 5 年連続で、最も愛されている言語のランキングで首位を獲得した。」とも言われていて、とにかく大きな"波"のようなものを感じます。
TypeScript の次はあんまり予想つかないけど、フロントエンドの上流(ライブラリ作者層)はRustに食われはじめてるので、そのうち rust wasm エコシステムがJSのアプリケーション層も一部食い始めるのは間違いないです
— mizchi (@mizchi) May 6, 2022
フロントエンドの最前線にいる人達はこぞって Rust を絶賛しています。
いや、Rustは速さがどうとかメモリ安全性がどうとか以前に言語仕様がとても優れているから可能な限りあらゆる場面で使われるべきだよ(過激派)
— 🈚️うひょ🤪✒📘 TypeScript本発売🫐 (@uhyo_) February 12, 2023
Rust が覇権を握るのは確定路線としても、「いつ」握るかはわかりません。 ですが、2023 年時点で Rust をガッツリやっておけば、先行者優位を築けます。
成功のコツは、トレンドの"起こり"で「第一人者」になることです。Rust の第一人者は空席となっているので、今後大きなブームが来たら大チャンスです。 逆にトレンドとなってからは遅いです。第一人者にはなれません。
みんながやっていない時期にウェブで情報発信しまくるのが重要です。 たとえば、日本でほとんど誰も Kotlin をやっていなかった時期に Kotlin を熱烈に愛し、本まで出した長澤太郎さんのようにです。
Amazon→Kotlin スタートブック
同じように Flutter で第一人者になった mono さんもやはり早めに Flutter の魅力に取り憑かれたのが功を奏した可能性はあります。
今日から、Solaという会社(https://t.co/Y1yrDXoCtW)の研究開発部にて週3相当で、某アプリをFlutterでクロスプラットフォーム対応しながらリニューアル開発( ´・‿・`)
— mono (@_mono) April 1, 2020
残りの2日相当は、勉強・個人の開発活動およびボリュームの少なめのお仕事(まだ緩募中)、という配分。https://t.co/R9ckESnW2M
プログラミング言語に限らず、トレンドは「最初に乗る」のが肝要なのです。
そして、本記事で紹介するパイオニアの STC(SaaS Technology Center)は、業務でガッツリと Rust を使える数少ない会社です。
もちろん、今後はパイオニア以外でも業務で Rust を使える会社は増えてくると思いますが、2023 年時点で Rust を使えてしかも年収が高く、外資 IT ほど選考が厳しくない会社はパイオニアくらいしか思いつきません(パイオニアは Rust 未経験でも歓迎してくれます)
パイオニアがエンジニア採用に力を入れている件
パイオニアは経営不振から 2019 年に上場廃止となり、外資のファンドによる経営再建を目指しています。 パイオニアの上場廃止はビジネス界ではかなり話題となり、日本企業の凋落のシンボルのような扱いを受けていました。
上場廃止後に矢原史朗氏が社長となり、その後にできたのが「SaaS Technology Center」です。
ハード × サービス(=モノ × コト)で変わっていこう、と躍起になって、STC という組織を立ち上げたそうです。
転職エージェントからもかなりパイオニアをプッシュされるので、エンジニア採用にかなりの手数料を払っているのかもしれません。
こうやって書くと、謎にパイオニアの広告をしているような気分になりますが、広告する気はないです。
このブログのテーマは「エンジニアの個人的なメリットをひたすらに追求する」なので、採用を強化しているパイオニアに応募するメリットがあるかないかを考えていきます。
パイオニアのエンジニアの年収はそこそこ高い
中途の募集は 500 万円〜800 万円となっていますが、交渉次第で上限よりも高い額が出ます。
【シニアエンジニア】★ ビジネスサイドとの要件調整・設計を担う ★ ソリューションサービス企業への変革を進める新設部署 ★SaaS ビジネスを推進の真っ只中で活躍
求人が 500 万円〜800 万円となると、正直、高いとも安いとも言えないところです。飛びつくには物足りない額でしょう。
ですが、いい意味で求人はフェイクで、期待値が高い場合は普通に 800 万以上でオファーしてくれます。パイオニア側はなんか印象で損しているので、普通に求人サイトを更新した方がいいと思います(笑)
普通に 800 万以上でオファーしてくれるじゃんね...。
あと、作っているのがカーナビなのも微妙な気分になるかもしれません。いやあ、それハードウェアやんと。ハードウェアはわからんよと。
しかしながら、STC はカーナビを作るわけではないです。ハードウェアを作る部門は別にあります。
パイオニアは SaaS 企業として生まれ変わるために、ウェブサービスをガンガン開発していこうとしています。
モビリティの未来を考える上で、カーナビは切っても切り離せません。
変革期にあるモビリティの最先端で、ハードウェアとソフトウェアの両面から開発者として関わっていけるのは大きなアドバンテージになりうるでしょう。
パイオニアは目下採用拡大・強化中なので、選考水準はそれほど高くない印象です。
現在の年収が 700 万円以下の方は、応募するメリットが非常に大きく、年収を上げて転職できるでしょう。
ちなみにパイオニアは残業が少なく、休日も多いです。
付与される有給休暇は最低 22 日です。普通の会社よりも圧倒的に多い上に、所定労働時間が7時間45分なので、労働時間も少し短くなります。
あとはたしか、週の半分以上は在宅勤務もできたはずです。私の記憶が曖昧になっている部分もあるので、リクルーターに聞いてみてください。
面接の質問で聞いても良いと思います。
もしパイオニアの中の人がこの記事を読んでいたら、フルリモートを制度として導入しても良いかもしれません。
2023 年 3 月以降、世の中的にはフルリモートをやめる流れになっています。 一方で、労働者的にはフルリモートに生活が最適化されてしまっているため、フルリモート以外では勤務できない!という人もけっこういます。
そういう人たちをかっさらっていくチャンスです。
というか、既にフルリモートと言っていた気もするのですが、あんまり覚えてないです。
パイオニアは技術スタックがとても良い
Green で以下のように紹介されているように、パイオニアは最近組織を作り始めただけあって、技術選定が非常に魅力的です。
- サーバ環境:AWS(Linux)、AWS ECS、GCP
- DB 環境:PostgreSQL
- 開発言語(フロントエンド):JavaScript、TypeScript、Next.js(React)
- 開発言語(バックエンド):Rust
- コードエディタ:Visual Studio Code
- 開発ツール:GitHub、GitHub Actions、Miro、Jira
- 情報共有ツール:メール、Microsoft Teams
- 開発手法:アジャイルスクラム
- 開発 PC:MacBook Pro
特筆すべきは「※採択している技術は Rust になりますが実務経験は必須ではありません。」と書かれている点です。
未経験から業務で Rust ができる。年収もそれなりに出る、という環境は日本中を探してもなかなかありません。
フロントエンドは React + Next.js でオワコンの Vue を使っていない点も推せます。
Vue.js はオワコンになる。Nuxt2 から Nuxt3 へのアップデートは破壊的変更が多すぎて移行できない
パイオニアは内製化に力を入れています。
「第二創業期」と宣言していて、本気でウェブ系企業として生まれ変わろうとしています。
なんちゃって「自社開発ウェブ系」と言われている企業よりもよっぽどモダンで楽しい開発ができるでしょう。
「自社開発」を名乗っていても、それは名ばかりで、外部委託の管理ばかりやってる会社もあります。
自社開発だからといって、必ず開発者としてスキルアップできるわけではないのです。
内製化に力を入れると宣言している会社であれば、確実にソフトウェアエンジニアとして経験を積むことができます。
【フロントエンジニア】★ ソリューションサービス企業への変革を進める新設部署 ★SaaS ビジネスを推進するクラウドエンジニアの募集!
しかしパイオニアは何を作っているのかわかりづらい
Rust に力を入れていて、技術スタックもイケているのが魅力ですが、いかんせん「何を作っているのか」が見えづらいのが難点です。
カーナビの基幹システムを作るのは STC 以外の部署のようですが、肝心の STC が何を作っているのかがウェブからは見えにくいです。
以下の note で事業の内容が簡単に説明されてます。 改めてパイオニアの紹介をします
- NP 事業
- データソリューション事業
- 市販事業
- OEM 事業
- サウンド事業
- 光ストレージ事業
これを読んで、実際にエンジニアが何を作るのかが見えにくいのはパイオニアの明確な欠点だと思います。 事業はなんとなくわかった。で、俺は何を作るんだ?となってしまいます。
もしパイオニア社の選考を受けるなら、何を作るのかはしっかりヒアリングしましょう。
SIer 出身で技術に力を入れたい人におすすめ
パイオニアは下手な自社開発ウェブ系企業よりも、内製化を本気で目指しているので、技術にどっぷり浸れる可能性が高いです。
大手 SIer 出身でプログラミング経験が足りない場合、ウェブ系に転職するとがっつり年収を下げられます。 年収を下げる転職は非常に辛いです。下げすぎると人生が荒みます。
パイオニアで頑張りましょう。
パイオニアを侮るわけではないのですが、未経験でも素養を買ってくれて、それでいてけっこう高めの年収を出してくれるのはパイオニアくらいでしょう。
ウェブ系企業は即戦力を求める傾向がめちゃくちゃ強いです。
技術をやりたい、経験を積みたい人はパイオニアを受けましょう。
年収 700〜800 万を狙っていって、2、3 年後に Rust が盛り上がっているタイミングで年収 1000 万で転職するのもいい選択になります。
もちろん、パイオニアが完全復活してガンガン年収が上がるなら、
パイオニアでそのまま頑張るのもいい選択です。パイオニアの中の人は、ソフトウェアでがんがん稼いで、年収をあげていきましょう。
いずれにせよ、Rust の可能性を信じている方にとっては、パイオニアを選択に入れることで、年収が上がる未来をかなり明確に描けるかと思います。
バックエンドが Rust、フロントエンドは React で、フルスタックで市場価値の高いスキルを磨いていけるはずです。
エンジニア転職で年収が高いプログラミング言語と年収が低い技術スタックを解説する
ここまで読んで、パイオニアに興味を持った方は、ぜひ応募してみてほしいです。
私はマイナビエージェントの転職エージェントの方にパイオニアを紹介してもらいました。
キャリアの相談に真摯に乗ってくれて、希望に沿った企業を提案してくれるので、非常におすすめ度が高いです。 選考時にこちらの魅力を勝手にアピールしてくれるので、書類はほぼ落ちません。
ぜひエージェントを活用して年収を上げましょう。