エンジニア転職のリアル

エンジニア転職で年収が高いプログラミング言語と年収が低い技術スタックを解説する

2022/05/27に公開
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エンジニアの転職において、転職先の技術スタックはとても大切です。 トレンドは移り変わりますが、大きなトレンドを抑えておけば 5 年くらいは安心です。

転職活動を通じて、転職市場で求められている技術スタック、流行りの技術がなんとなく理解できたので、皆さんに共有します。

2023 年以降、力を入れて習得すべき技術スタックを考えてみましょう。

転職活動をしていない人も、求人を眺めて、「今世の中でどんな技術の求人が多いのか」を押さえておくのは重要です。

バックエンドのプログラミング言語のトレンド

バックエンドもフロントエンドも静的型付け言語の時代です。

2022 年時点では、Go 言語を採用するのが最もトレンドに乗っているといえます。

TypeScript で言語を統一するために、バックエンドを Node.js で書く会社もあります。特にリソースに限りがあるスタートアップではその傾向があります。

バックエンドのフレームワークとして、Express, NestJS を使っている会社も増えています。

Kotlin + Ktor で開発する会社もわずかにありましたが、少数です。有名ドコロだと、Sansan がバックエンドに Kotlin を使ってます。

Ruby on Rails は現在でも多くの会社で使われています。 ですが、これからプロジェクトを始める、というときに、Rails を採用するケースはかなり減ってきています。

現時点では「レガシーな Rails を API モードでモダン化する」という需要はありますが、Rails の需要が右肩下がりになるのは火を見るより明らかでしょう。

特に View を Rails で書くケースは確実に減っていきます。現在も多くの会社が Rails 依存を「減らそう」としています。

なので、Rails を使って、 View を Haml や ERB を使って書いている会社に転職するのは避けた方が良いと思います。

時間を費やして学んでも報われないからです。

Python や PHP は型安全な方向に進化してきていると言われています。 Ruby は作者が頑なに「型を書かないほうがプログラミングが楽しい」と言い張っていたため、型の対応が遅れています。

Ruby に型が充実するよりも、Ruby が死ぬ方が先だと思います。

未だに Ruby が好きだと言い続けている人は、サンクコストに囚われている人たちです。

Ruby を使っている会社は本当にたくさんありますし、日本では「Ruby を避けろ」とは言えないのが現実です。 ですが、トレンドとしては間違いなく右肩下がりです。

Ruby on Rails はあと 10 年は持たないでしょう。

サーバーサイドの開発言語としては、型の対応に遅れたのが Ruby の最大の敗因です。

スクリプト言語としては Python の方が明らかにライブラリが充実してますし、Ruby は既存の保守以外に使い所がなくなると思います。

バックエンドもフロントエンドも全部 TypeScript な会社が増えている

技術スタックの統一のために、フロントエンドもバックエンドも TypeScript で統一する会社が増えています。

特にリソースに限りがあるスタートアップ界隈に多いです。

たとえばダイニー社では、バックエンドを NestJS + Node.js、フロントエンドを React、アプリを React Native で作っています。

TypeScript に統一した技術スタックですね。

【エンジニアブログ】ダイニーのエンジニアリング 3 カ条

年収が高くて有名なスタートアップ、コミューン社も TypeScript で統一されています。タイミー、ミツモア、プレイドも JavaScript で固めていたはずです。

ちなみにプレイドは株価は冴えないですが、平均年収は 950 万円と、高水準です。 トップエンジニアが揃っていて、技術的にも尖っているので、ぜひ採用に応募しましょう。

ちなみにプレイドはフォースタートアップスのリクルーターが紹介してくれました。

フォースタートアップスを使ってみた感想・メリット・デメリット【転職エージェントを本音で比較】

Ruby on Rails はオワコンになる

Ruby を愛するエンジニアは日本にたくさんいますが、Ruby はエンタープライズで使うものではないと思っています。

「使うものではない」といっても、たくさん使われているのが現実ではあります。

mixi、マネーフォワード、freee、LIPS を運営する AppBrew、Github...名だたる企業のソフトウェアが Ruby on Rails で作られています。

それでも、Ruby on Rails を大人数、複数人で使っていくと必ず辛くなってきます。 多くの人が辛さを感じているにも関わらず、日本では Ruby on Rails が得意な人が力を持ちすぎてしまっていて、Ruby on Rails をクソと言えない雰囲気が漂っています。

Ruby on Rails を支えているのはフレームワークの魅力ではなく、使っている人間の権力なのです。

Rails が好きで、Rails ばかりやってる人が偉くなったのが、日本のエンジニアを不幸にしています。

動的型付け言語はそもそも大規模開発に向かないにも関わらず、「Ruby に型を導入すると書いていて気持ちよくない!Ruby らしくない!」という謎の理屈で、ユーザーの需要を無視し続けてきたのが Ruby です。

2010 年代に Rails が流行ったせいで、2020 年以降の多くのエンジニアが苦しめられています。

Rails が好きな人は、「自分たちは美しい Rails が書ける」という謎の理屈で、「綺麗にかける俺たち」にとって快適な開発をして、その他の多くの初心者を苦しめています。

「Ruby の高い表現力を駆使したメタプログラミング最高!」みたいなノリで書かれた Rails のリポジトリには地獄が広がっています。

メタプログラミングが散りばめられたソースコードは後から読むと意味不明です。

リポジトリは魔境になっていて、ちょっとの改修に膨大な時間がかかります。これも多くのエンジニアを不幸にしています。

Rails で作られたシステムは、地雷を撤去しないと家が建てられないカンボジアのようなものです。

いつ爆発するかわかりません。私が見た限り、 Ruby on Rails で長年開発してきた会社は、Rails が生み出した負債に苦しんでいるようでした。

型の恩恵がなく、大規模開発には向いていないのです。

Rails の負債が大きすぎて、新規開発のスピードが出ずに、製品開発で遅れを取っている会社が多数ありました。

それでも Rails の求人は多い

繰り返しですが、Rails を使っている会社は大量にあります。Rails は求人も多いです。

将来性はないですが、現在の需要はあります。

2000 年代初頭の COBOL、2010 年頃の Perl もこんな感じだったのではないでしょうか。

しかし Rails はあまりにもヘイトを溜め込みすぎています。大人数で開発する Rails は明らかに生産性が低いです。 生産性が低いことに多くの人が気付き始めています。

気付かないフリをしているのは、Rails によって名声を得た古参のエンジニアだけです。しかし、事実は事実。

Rails の生産性は低いことには変わりありません。

これから就職するなら Rails を使っている会社は避けた方が無難かと思います。

残念ながら、Rails を避けると選択肢が一気に減ってしまうのが悲しいのですが...。

具体的には、以下のようなメガベンチャーで Rails が使われています。

  • ミクシィ
  • マネーフォワード
  • メドレー
  • クックパッド
  • freee
  • BASE

しかしながら、世界的にも Rails、というより Ruby が完全にオワコンなのは間違いないです。

日本では「Ruby は最高!Ruby はまだまだ伸びる」と妄言を吐く Ruby のサンクコストに取り憑かれた人もいるかもしれませんが、事実は事実です。

Rails オワコン説を流すと、「GitHub も Rails じゃないか」と反論する人は必ず出てきますが、2018 年の時点で既に、GitHub も Rails からの脱出を図っています。 合理的な判断ができる人はだいたい Rails やめたいんですよ。

アーキテクチャレベルの改革も現在は三分の一ほど進んでいる。同社は Ruby on Rails から離れ、もっと異種混合で使い捨てのきくインフラへとシフトしていっている。
GitHub に Ruby の居場所はまだあるが、Go や Java、さらには Haskell の方が多くデプロイされているそうだ。
GitHub の Rails 離れと、迫りくる Microsoft

現在のトレンドは「Rails」ではなく「Rails をはがす」です。 Rails をやめるために、Rails エンジニアが必要とされているのです。

Ruby は廃れている

人気のプログラミング言語ランキングでは、Ruby の人気は 18 位です。

The Most Popular Programming Languages – 1965/2022 – New Update

Ruby の下にいるのは Perl や Fortran と既に終わった言語しかありません。世界的にはもう Ruby は息も絶え絶えといったところでしょう。

GitHub のトレンド でも STAR の数は他の言語よりも少ないです。 ユーザー離れが進んでいる証左ではないでしょうか。

もちろん、Ruby エンジニアの採用はまだまだ旺盛です。というより、熟練度の高い Ruby エンジニアはどの会社でも不足しています。引っ張りだこといってもいいでしょう。

ですが、Ruby エンジニアが引っ張りだこの状態は今がピークです。これから徐々に減っていくはずです。

Ruby しかやってこなかった人は、できるだけ早めに、別のスキルも並行で勉強していきましょう。

御社の偉い人は Ruby にとらわれているかもしれませんが、御社の偉い人はあなたのキャリアを守ってくれるわけではありません。 冷静にトレンドを見て、メリットがなくなったら切り替えましょう。

Rust や Zig は話題性があるが、実用はまだ先

Rust は先進的なイメージがあります。 ウェブ界隈での評価も非常に高いですが、学習コストが非常に高く、採用している企業も少ないです。

Rust がこれから流行ってくるか Scala のように尻すぼみになっていくかは判断できません。

Rust 以外の選択肢が優勢になる可能性もあります。

少なくとも 2022 年から 2023 年においては、Rust を業務でガッツリ触るのはギャンブルです。

個人開発で触る程度に留めるのが無難かと思います。

パイオニア「STC」は Rust が使えて年収が高いのでおすすめ

Scala はオワコンなのか?

ビジョナル(ビズリーチ)や FOLIO では Scala が使われています。

求人数はそれほど多くないですが、関数型言語で頑張りたい会社は Scala を選択する傾向があります。

ただし、以下のような理由で「日本では流行らない」と言われています。

  • 学習コストが高い
  • コミュニティの雰囲気が悪い
  • 既に右肩下がりなので、これから盛り返す可能性は低い

そもそも Scala に精通した技術者が少なく、さらにこれから参入してくる人も少ないとなると、たしかにコミュニティが尻すぼみになっていく可能性は高いでしょう。

一方で、Scala を採用することで、逆に意識が高い人材を採れるメリットもあるようです。

Ruby で3ヶ月以上採用活動してもあまりいい人材が見つかっていないスタートアップを様々みてきたが、採用に関しては人材がたくさんいる Ruby や PHP よりも人材がそこまでいないがみんながやりたがる Scala の方が優位であると感じた。 スタートアップである弊社が全員ほぼ未経験で Ruby on Rails を Scala に移行した理由、その効果と苦労点

個人的には Scala に今から本気出して勉強するのはおすすめできませんが、あえて Scala を使っている会社に飛び込むことで、スキルへの意識が高い人達と一緒に働けるかもしれません。

需要と供給のバランス次第ですが、「Scala ができる」といえば、Scala エンジニアを欲しがっている会社からは歓迎されるでしょう。

バックエンドは Go か Java、Node.js の 3 択

バックエンドを頑張るなら、Go、 Java(Kotlin)、Node.js のどれかをやるのが良いでしょう。

求人が多いこと、外資 IT に転職しやすこと、潰しが効きやすいのが理由です。

Java は日本の SIer がレガシーすぎて敬遠されがちですが、世界的にはよく使われています。

Python は大人気ですが、機械学習エンジニアを目指すのでない限りは、バックエンド Python の会社はそれほど多くありません。

第一選択肢として Go をやって、日系のウェブ系企業で年収を上げましょう。

Java の経験値を積める環境にいる人は、外資 IT を目指しましょう。

SIer のレガシー環境にいる人は、まずはそこからの脱出を図るべきです。SIer の「SE」は「ソフトウェアエンジニア」ではありません。

システム調整屋です。

フロントエンドのフレームワークのトレンド

2023 年時点では、日本のフロントエンドは React か Vue の二択になっていました。

海外では React 一択なので、後を追うように日本でも React がメインで使われるようになるでしょう...と予想していましたが、2023 年時点では React が覇権を握っています。

今後もしばらくは React の覇権が続くでしょう。

トレンドに乗っているのと乗っていないのでは、コミュニティの勢いが違うからです。

今どき Angular を使ってる会社はやばいので避けましょう。Angular にこだわっているのは SIer くらいです。

具体的には、「みんなの銀行」のような素晴らしいサービスが Angular と Ionic で作られているのは、最初にアクセンチュアに開発を委託したからです。

株式会社みんなの銀行はかなり年収も高く、それでいて福岡で働けるので、家賃も抑えられておすすめの会社です。個人的に Angular が好きではないので辞退しましたが、Angular に抵抗がないならぜひ受けてください。

【みんなの銀行】ゼロバンク・デザインファクトリーの技術スタック、サービスの内容について調べてみる

プログラミング言語は TypeScript 一択です。TypeScript は JavaScript のスーパーセットなので、JavaScript の知識も必然的に必要となります。

Vue + Nuxt は日本では未だよく使われています。2022 年時点では、転職活動をすると React と Vue が半々くらいのイメージです。 ただ、Vue2 から Vue3 のアップデートに躓いて、Vue をやめる会社がこれから増えていくのではないかと予想しています。

Nuxt2 から Nuxt3 へのアップデートは破壊的変更が多すぎる| Vue がオワコンになる予兆

これからフロントエンドを志す方は迷わずに React を勉強しておきましょう。 プログラミングスクールで jQuery とかやってる人は危機感を持ちましょう。モダンな現場で jQuery を使うところはありません。

もしあなたが新人のエンジニアで、 jQuery を使う現場に配属されたならすぐに退職するべきです。

ツイッターなどではたまに「jQuery は現場で使われてる!全然オワコンなんかじゃない」と言ってる人がいますが、アホなので無視しましょう。

COBOL という古代言語がレガシーな現場で使われているのと同じです。使われているからといって、オワコンじゃないわけではないのです。

今から学ぶなら、jQuery は絶対に避けて、TypeScript + React をやってください。

React を勉強するためにおすすめの書籍一覧|初心者・未経験からポートフォリオを作るレベルまで

ドメイン知識が複雑なものは技術以外に時間がかかる

トレンドのスキルとは関係ありませんが、「どの業界のエンジニアになるか」は意外と重要です。

できれば toC、つまり一般消費者向けのシステムを作りましょう。

医療や金融、保険や製造業、モバイル管理など、担当するドメインがやたらと複雑で理解に時間がかかる領域は、ドメインの勉強が大変です。

身につけるのは大変ですが、転職すると価値はゼロになります。

たとえばメドレー社のエンジニアなどは医療に関する法律の知識が必要になる人もいます。 そうなると、技術だけでなく、ドメインに対する愛がなければやっていけませんし、「そのドメインで長くやっていく覚悟」も必要になります。

結果として、選択肢は狭くなるので、個人的にはよほどのこだわりが無い限りはおすすめしません。

エンジニアとして成長したいなら、toB よりも toC 向けの開発プロジェクトに参加しろ

クラウドサービスのトレンド

AWS か GCP の二択です。

Azure を使っている会社はウェブ系にはほとんどありません。SIer の一部では Azure が使われていることもあります。 野村総合研究所などは Oracle Cloud の利用を推し進めようとしていますが、流行る可能性は極めて低いといえます。

AWS か GCP 以外の会社は頑張って勉強しても無駄になるので避けましょう。

シェアがないスキルを身に付けても年収は上がりません。

年収アップを目指すなら、GCP が良いと思います。

メルカリや SanSan などの伸びてる会社が GCP を採用する傾向があるからです。

クロスプラットフォーム開発のトレンド

クロスプラットフォームのアプリ開発は Flutter 一択です。 React Native も頑張ってますが、Flutter の勢いに勝てないと思います。

Ionic を使ってるみたいな会社がありましたが、SIer の影響でした。避けましょう。

Flutter の需要が非常に高まっていて、Flutter エンジニアは高年収で就職できる可能性があります。

今から勉強するなら Flutter にしましょう。

React Native もある程度は求人がありましたが、やっぱり Flutter の方が多いです。

とはいえ、React Native は React の知識がそのまま使えるという大きなメリットもあります。

Flutter をやる場合は、新たに Dart の勉強もしなければならず、多少のハードルがあります。

バックエンドから Web フロントエンド、スマホアプリまで全部 TypeScript で書けるのは、特にリソースの少ないスタートアップでは見落とせないメリットでしょう。

個人開発で稼ぎたい人にも、React + TypeScript + React Native の技術構成はおすすめです。

全部 TypeScript で書く場合、バックエンドは NestJS を使うことになると思います。

React Native は日本語でまともな書籍はありません。

勉強したい人は Udemy 一択です。

日本語の場合はReact Native(Expo)による iOS アプリ開発が良いです。

英語が苦でない場合は、TypeScript と React Hooks も一緒に勉強できる React Native with Typescript - The Practical Guide (2022)がとてもわかりやすかったのでおすすめです。

Xamarin はオワコン

Xamarin を使っている会社もごくわずかにありましたが、年収が低いし、今後も需要が伸びることはないので避けましょう。

Flutter のような、もっと便利な道具があるのにわざわざ Xamarin を使い続けるのは、よほど技術選定のセンスがないか、あるいは技術のピボットが許されない会社であるかのどちらかです。 あるいは技術選定のセンスがない人間が意思決定をする会社である可能性が高いです。

Zenn で Xamarin を検索した結果、2022 年 8 月時点で投稿された記事はわずか 20 本です。 誰も話題にしていません。明らかに滅びゆくクロスプラットフォームフレームワークでしょう。

Xamarin を自分のメインスキルにするのはリスクが高いので、本当にやめましょう。

2020 年代になっても Xamarin を使い続けている会社は技術スタック的に危険信号が灯っているかと思います。

オワコン言語は採用にもメリットがありません。

それでも使い続けるのは相当ネガティブな理由があります。

今後成長の見込みがない技術に縛られている会社は、少なくともエンジニアにとっては魅力はありません。

Xamarin を使っている会社は避けましょう。

今働いている会社が Xamarin を使っているのであれば、C#を使っている別の会社に転職しましょう。

Sansan とかは C#の求人があっておすすめです。

Sansan の年収は?技術スタック、サービスの内容を調べて転職しよう

SIer なら、C#の案件は腐るほどあるのですが、技術者としてのスキルアップは厳しいでしょう。

実際に求人を見てみよう

ここまで様々なトレンドについて書いてきましたが、現在の最も新鮮な情報を得るには、実際の求人を見て、エージェントに聞いてみるのが一番です。

転職サイトに登録したからといって、転職しなければいけないわけではありません(最初に意向を伝えることができます)

自分の市場価値を確認し、何に時間を使っていくが良いかを判断するための指針として、エージェントを活用していきましょう。


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