「好きなことを仕事にしよう」という言葉は、古くから言われてきた。
YouTuber のイメージが強いせいか、「遊んで稼ごう」というニュアンスで伝わってきた感じもする。
YouTube でゲーム配信して稼ぐのが正しいとは限らないが、「好きなことを仕事にする」のは絶対に正しい。
その理由を解説する。
好きなことを仕事にすると、成長速度が 100 倍になる
好きなことを仕事にすると、とにかく成長が早い。
私の場合はプログラミングだった。
仕事でコードを書くようになると、業務で気になったことは家でも調べるようになる。家で調べて、家で試して、会社で実践する。
休日は個人で開発を進めて、そこで得られた知見を本業でも活かしていく。
そんなサイクルがグルグルと回り続ける上に、興味があるから吸収が早い。
吸収が早い理由の 1 つに、移動中も風呂の間も、トイレの間もずっとプログラミングのことを考えてしまうからだ。
興味があって覚えが早くなる効果に加え、投入時間が一気に増える。
「家でも仕事をするのかよ」と仕事が苦行になっている可哀想な人間は言うだろう。
好きなことを仕事にしている人間にとって、プライベートと業務の区別は限りなく曖昧だ。
業務でもプライベートでも同じようなことをしている。
私がプライベートでもコードを書き、業務でもコードを書くように、絵が好きな人は仕事以外でも絵を書いているだろう。
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業務以外の時間で成長できる
エンジニアに限らず、私達は業務時間だけで成長するわけではない。
アスリートだって、練習は誰だってやる。大事なのは練習以外の時間だ。
朝倉未来がケラモフに負けたとき、魔裟斗が「練習はやってるはず。練習以外の時間に何をやるかが大事だ」と言った。
肉体は疲弊するので、15 時間も練習し続けることはできない。 しかし、脳は違う。
歩いているときや眠る前、何かを食べている時間にも考えることができる。 考えている時間で成長できる。
新しいアイデアが浮かぶかもしれないし、良い技を思いつくかもしれない。
デスクワーカーも同じで、トイレの時間やお風呂の時間、物を食べている時間に頭の中で設計して、コードをシミュレーションし、解決策を考えている。
好きなことを仕事にすると、業務以外の時間もそのことをずっと考えていられるのだ。 嫌な仕事をするときとは、明らかに成長速度に違いが出る。
好きな仕事だと、業務時間が全く苦にならない
好きなことを仕事にしていると、業務時間の苦しみが一切なくなる。
会社に行くのが嫌だと思うことが全く無い。
「早く夜にならないかな」と時間が過ぎるのを待つようなこともない。
業務が苦にならない、というのは精神衛生上極めて重要で、人生の充実にもつながってくる。
毎日、会社に行くのが嫌で嫌でたまらない人間がどうして幸せになれるだろうか。
1 日 10 時間費やす会社の仕事は、絶対に楽しくなければいけない。楽しくないなら働く意味がない。
お金が稼げる市場を選ぶ
「好きなことを仕事にする」といっても、ただ好きなだけでは飯を食えない。
けん玉が好きだからといって、けん玉のスキルを評価して金を払ってくれる会社はない。独立にも不利だろう。
会社員としても稼ぎやすく、いざというときに独立しやすく、市場が伸びている分野に時間を投入しよう。
私はプログラミングだった。
YouTuber も収入が青天井な分、大変に魅力的ではあるが、身に付けたスキルは会社員に転用しにくい。 インフルエンサーなども同じで、ツイッターやインスタグラムでどんなにフォロワーがいても、会社の年収アップにはあまりつながらない。
もちろん、note などを売ったり案件をもらってお金を稼ぐことはできるが、持続性に不安がある。
会社員としても稼げるし、プライベートでも金になる。その上、やっていて全く苦ではない、そんな分野に時間を投入するのがいい。
そうすれば、遅かれ早かれ必ず金持ちになれる。必ず成功できる。
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肉体よりも頭脳労働の方が好きな仕事にしやすい
好きなことを仕事にするのは魅力的だが、サッカーや格闘技を仕事にするよりも、頭脳労働を仕事にした方が安定性は高い。
まず肉体系、具体的にはスポーツを仕事にすると、肉体の衰えによって収入が減っていく。頭脳はそれほど衰えないが、肉体の衰えは加齢と共に顕著になる。
好きなことを仕事にする作戦では、「投入時間を人の 2 倍にして倍速で成長する」のを基本戦略にしているが、肉体は疲弊してしまうので、投入時間によるバフは効きにくい。
プロサッカー選手だって、1 日 10 時間も練習はできないはずだ。そんなにやると怪我してしまうし、明らかに効率が悪い。
一握りの一流は人気も金も手に入れるが、中途半端な実力で終わってしまうと先がない。
甲子園で優勝した斎藤佑樹でさえ、凡庸な結果に終わったのだ。
そこに人生をかける必要はないし、人生かける素質のある人はこんな記事は読まないだろう。
嫌いだけど年収が高い仕事は辞めるべきか?
私は新卒で大手 SIer に入った。仕事は全く楽しくなかった。10 年近く会社にいて、楽しかったことは 1 度もない。
どんな仕事も、何一つ楽しくなかった。やりがいもなかった。どうしてこんな無駄なことばかりやっているんだろう。馬鹿なんじゃないかと思っていた。
実際、馬鹿なんだと思う。馬鹿は馬鹿であることに気付けないから、馬鹿のままなのだ。無駄なことをやっていても、無駄に気付けない。
永遠に同じ場所で穴を掘っては埋めて、仕事をした気になっている。
本当に、心の底からくだらない、どうしようもない仕事なのはわかりきっていたのだが、辞められなかった。
年収が高く、ブランド価値が高かったからだ。
どうして年収 1000 万を簡単に捨てられようか。年収が上がる方の仕事となると、アクセンチュアで同じくだらない仕事を長時間やるか、コンサルティング会社でくだらない仕事をさらに続けるしかなかった。
しかし、今になって思う。
もし今の業界にもっと早く来ていれば、自分はどこまで上っていけたのかと。とにかく成長速度が段違いなのである。 新しいことが次々とできるようになり、新しい学びがあり、技術が洗練されていく自覚がある。
仕事は全く辛くないし、仕事が楽しくない日はない。というか、「楽しい」とか「つまらない」を考えなくなった。
会社に行って、コードを書く。
家に帰っても、コードを書く。
それだけの違いで、特に「会社に行く」という儀式を意識すらしなくなった。
早く好きなことを仕事にするべきだったのだ。
毎日毎日、時計の針を見ながら、くだらない会議で時間を潰していたあの時間はもう取り戻せない。
もっと人生を充実させるべきだった。
この記事を最後まで読んだ人がいたら、ぜひ好きなことを仕事にしてほしい。
ちなみに 1 社挟んだが、年収は最初の会社に近い水準まで取り戻せた。年収も上がっていくのだ。好きなことで突出を目指そう。
私もまだまだ頑張る。君もぜひ、好きなことを仕事にする一歩を踏み出してほしい。