この記事では大学生・大学院生のために、新卒で野村総合研究所に入るために、どんな準備をすればいいかを説明します。 野村総合研究所の「アプリケーションエンジニア」「テクニカルエンジニア」「セキュリティスペシャリスト(NRIセキュアテクノロジーズ)」に応募する人を対象としています。
「経営コンサルタント」で採用されるコツはよくわかりませんが、同期を見ていると明確に「英語ができて偏差値が高い」という特徴がありました。
最低でも TOEIC 850 点、学歴は慶應早稲田以上、偏差値は私立 65 以上、国公立で 60 以上はあった方がいいでしょう。
コンサル部門だと、東大・京大・慶應・東工大が強いです。
コンサル部門のメンバーは高偏差値ばかりですが、NRI のエンジニア(SE)は偏差値の低い大学からでもガンガン入社していて、学歴フィルターはほとんどないです。
NRI に限らず、偏差値低い大学からコンサルタントになりたい方は、東大の大学院あたりを受けて学歴ロンダしておくのがおすすめです。
東大は学部から入るよりも大学院で入るほうが簡単です。早めに TOEFL のスコアを上げておきましょう。 驚くほど就活が有利になります。
ちなみにコンサルとエンジニアでは給料は変わりないはずです。 NRI はコンサル会社として有名ですが、売上の 9 割はシステム部門で稼いでいます。
エンジニアだと不当に年収が低い、なんてことはありません。 入社時の研修はコンサル部門のメンバーも一緒です。みんな仲良くグループになって、研修を楽しみます。
入社してから夏まで続く研修は、NRI に入って唯一幸せな時期とも言えるでしょう。
特に同じ寮で過ごした仲間は、一生モノの付き合いになります。
1 年で出る人が多いし、早い人は 3 ヶ月くらいで出ていってしまいますが、最初は寮で過ごして、研修が終わる頃にゆっくり賃貸を探すのが良いと思います。 ちなみに新人から 3 年目くらいまでは、家賃補助が 6 万円出ます。
川崎や戸塚なら、横浜のみなとみらいにも通いやすいはずです。
- 独身女子寮 鵜の木寮(最寄駅:東急鵜の木駅)
- 独身男子寮 葛西寮(最寄駅:東西線葛西駅)
- 独身男子寮 川崎寮(最寄駅:JR 川崎駅)
- 独身男子寮 戸塚寮(最寄駅:JR 戸塚駅)
採用で何を見られるか
採用担当者の本音のようなページでは、採用担当者の綺麗事が語られていますが、参考になりません。
人間には本音と建前がありますが、公式の採用ページに本音なんて書けるわけがありません。
目を皿にして採用ページを読んでも、具体的なアクションにつなげるのは困難でしょう。もちろん採用ページは読んだ方がいいです。
採用ページを読んで、質問を考えたり、自分のエピソードにつながるような会話をすると良いでしょう。
ただ、採用ページでは上っ面しか語られていません。語ることができません。
NRI の実際の業務から逆算して、どんな人材が求められているかを把握しましょう。
具体的には、「学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)」を通じて以下のような能力をアピールしてください。
- ストレス耐性がある
- 地頭が良い
- コミュニケーション能力が高い
- 学習能力がある
なぜ上記の能力が必要とされるかを解説します。
今ではわかりませんが、5 年前までは IT スキルなどはほとんど見られなかったです。
根性があって、頭が良く、論理的で、コミュ力が高い人の方がよっぽど好かれます。
ストレス耐性があること
OpenWork などを見れば一瞬でわかりますが、NRI は残業が多いです。みんな、とにかくよく働きます。 月の残業は 40 時間は超えるでしょう。
また、会社では日常的に「詰めるやり取り」が発生します。
「なんでなの?」 「どうして?」 「説明して」 「そこ違うよね」 「なんで障害が起こったの?今後の対策は?」
と、文字にすると当たり前に大事なことではありますが、いちいちキツい言い方な人が多いです。
NRI では当たり前に残業して、当たり前にキツい口調で議論して、当たり前にスケジュールを「死守」します。
仕事を進めるためにコミュニケーションが必要な関係者も多く、面倒な調整ばかりでストレスが溜まるでしょう。
コミュ力と論理的思考力と根性なしでは NRI の仕事はできないのです。
中に入るとわかりますが、根性のない人は一人もいません。
なので、「頑張れない人」は間違いなく面接で弾かれています。
「深夜に突然電話が来ても飛び起きて、仕事を頑張れるかどうか」という視点で見て、「この人は頑張れるだろう」と思える人を採用していると思われます。
なので、「困難で大変な何かをやり遂げた実績」をアピールしましょう。 エピソードからそれとなく伝わるようにするのがいいです。
研究でも部活でも資格取得でも何でもいいです。やりきった経験を語りましょう。
地頭が良いこと
「地頭の良さ」はどの企業でも必須です。ただ、「地頭の良さ」というとふわっとしていて、何を指しているのかわからないでしょう。
面接における「地頭の良さ」は以下の点で評価されます。
- 受け答えがスムーズにできること
- 質問に的確に答えていること
- 論理的に話すこと
- 話がわかりやすいこと
具体的に何をすればいいか、見ていきましょう。
受け答えがスムーズにできること
面接中は質問に対して即座に回答しましょう。 聞かれたらすぐに答えます。いちいち考え込んでいたら馬鹿だと思われます。
即座に回答するコツは、事前に答えを用意しておくことです。
人間、知らないことや考えたことがない内容について聞かれても、即答できません。
事前に質問内容に対する想定回答を何度も暗唱しておきましょう。 質問される内容はどこも似たようなものばかりです。
1 つ回答を考えると、3 つくらいの質問に応用が効きます。
新卒の就活では「自己分析しろ」などと言われがちですが、自己分析とかどうでもいいです。 自分を分析して「私とは何か」などと考えても答えなんて見つかりません。哲学者になりたいんですか?
そんな馬鹿なことしなくても、「想定質問に対する答え」を自分の経験から掘り起こしておけばいいんです。 頭の悪い大人がそそのかすせいで、なぜか就活生が哲学者になっていて笑えます。
無駄なことしてないで、面接を突破することだけを考えましょう。
1 つだけアドバイスするなら、綺麗事にとらわれているうちは自分の本音など見えません。
- 金持ちになりたい
- タワーマンションに住みたい
- すごいって言われたい
- チヤホヤされたい
- 目立ちたい
などの、一般的に「ダサい」と言われがちな欲求こそが私達の本音です。
年収が良く、たくさんの人にチヤホヤされて、後輩にすごいって言われそうな野村総合研究所。
いいですね。中に入ると辛いことが多いですが。
せっかくなので、とりあえず面接は突破しておきましょう。
質問に的確に答えていること
聞かれたことに答えられない人がいます。 質問者が何を聞きたいのかを正確に汲み取って、正しく答えましょう。
結論から答える方が印象が良いです。
結論 → 背景や理由 → 具体例
の流れをベースにして、手短に答えます。
相手がどれくらい話を聞きたいのかを事前に聞くのもテクニックです。
結論を話してから「実際の経験についてもう少し話してもよろしいでしょうか?」みたいに聞いて、相手をコミュニケーションを取ると印象が良くなります。
大事なのは会話することです。
あと、人間は長い話を覚えられないので、短く話しましょう。 自分で何を言ってるのかわからなくなるような長い話は絶対にダメです。
結論から話して、その理由にツッコミどころがなければ論理的に感じます。
「ロジカルシンキング」とか「考える技術・書く技術」みたいな本をいちいち読まなくてもいいです。
自分の回答に自分でツッコミを入れてください。普段から「なぜなのか」をよく考えるようにしてください。
面接官の質問に対して、何か回答したとします。 その回答の「理由」と自らの「経験」を紐付けてください。
理由に納得感を持たせるために、自分のエピソードを使うのです。
自己分析して「私とは...?」みたいな不毛な迷路にハマるのではなく、「面接官を納得させるために自分の経験を使う」くらいの意識で OK です。
では、NRI の面接でアピールしたい能力の続きを見ていきましょう。
コミュニケーション能力が高い
就活では「コミュニケーション能力」なるものが見られます。 私が就活生のとき、なぜ「コミュニケーション」みたいな基礎的な、誰でもできそうな能力を評価するのかよくわかりませんでした。
ですが実際に会社に入ると、コミュニケーション能力が非常に重要なことに気付きます。
まずコミュニケーション能力がない奴がいると、チームメンバーが困ります。
NRI にはコミュ力がない人はあまりいないのですが、中小企業だと頻繁に遭遇します。
日本語が理解できないアホや、ネチネチと陰口を言う陰キャと一緒に働くこともあります。
会社員にとってコミュニケーション能力はあって当たり前で、なかったらものすごく困るのです。
なぜなら仕事は 1 人ではできないからです。
日本語で正しく意図を伝えたり、読み取る能力はものすごく重要です。 周囲を不愉快にさせる人間がいると士気が下がります。
明るく、楽しく、周りの士気を上げるようなコミュニケーション能力がある人間の方がいいに決まってます。
まぁ、NRI には人を詰めて不愉快にさせる人間はたくさんいるので、「明るく楽しく」は全く当てはまらないかもしれないですが、日本語を理解できない人はいません。
伝えたい内容を的確に、正しく伝える能力。そして、正しく読み取る能力はものすごく大事です。
協力会社や他部署とのコミュニケーション
NRI の業務では調整ごとがたくさんあります。 インフラを担当する部署の人に何かをお願いしたり、お願いされたりするのは日常的にあります。
「協力会社」と呼ばれる下請けの方に、毎日作業を依頼して、作業の進捗の報告を受けます。
毎日がコミュニケーションの連続なのです。
だから、コミュニケーションがまともに取れる人でないと、仕事が全く進められません。
周囲と何かを調整して、仕事を進めてきた経験を語りましょう。実務でも使う能力です。
学習能力がある
学習能力がある点はアピールしたいですね。
実際の業務では、新しいことを学ぶ機会が非常に多いです。 技術を学ぶというよりは、業務知識を常にブラッシュアップしています。
NRI で扱うシステムはとにかく複雑です。わけがわからないくらい複雑なので、調べて学んで吸収していける人でないと、何もアウトプットを出せないのです。
新しいプロジェクトに配属されたとき、そのプロジェクトで扱うシステムについてしっかりと学んで、吸収して、キャッチアップできる資質をアピールしましょう。
それっぽい経験はどこでも積めるはずです。
理系なら「新しい研究に最初は戸惑いましたが、キャッチアップした経験」を語ればいいし、文系なら「時間がない中で、難しい資格を取った経験」などを語ってもいいでしょう。
資格をアピールするのではなく、その過程での学習能力をアピールするのが良いです。
野村総合研究所に学歴フィルターはあるのか?理系文系の差はあるのか?採用大学のリアルと出世の関係
志望動機の作り方
なぜ NRI を志望するのか?なぜ NTT データではないのか?なぜ他の SIer ではないのか?などを聞かれることがあると思います。
私が学生のときは、
「NRI は他の会社に比べて利益率が高い。それは一人ひとりに求められるアウトプットが大きいということ。高いアウトプットを求められる環境で、優秀な人と切磋琢磨して成長したい」
みたいなことを答えてました。
まぁ、これくらいで問題ないかと思いますが、みんな同じようなことを言うのではないでしょうか。
ぶっちゃけ、他の SIer より良い点は以下の通りです。
- 年収
- ネームバリュー
色々と理由をこねくり回しますが、実際は年収が高くてブランド力があるから NRI にしたい、という人ばかりでしょう。
とはいえ、女の子を口説くときに「君は胸がでかいから好きだ」と言っても響きません。
同じように、NRI の面接官に「年収が良いから NRI を選んだ」と言っても刺さりません。
だったら外資金融だったり Google に行け、と突っ込まれてしまうからです。
NRI の面接官は、自分の会社が馬鹿みたいに残業しまくっているのを知っています。 人を詰める文化があることも知っています。
それを逆手に取って、「厳しい環境で成長したい」みたいなことを言うのもいいと思います。
野村総合研究所の年収のリアル | 30 歳で年収 1000 万は本当か?
「ガクチカ」は他の学生の良い回答をアレンジしろ
社会人の転職であれば実績を語ればいいですが、「学生時代に頑張ったこと」をいきなり聞かれても、カッコよく答える自信がない人も多いのではないでしょうか。
「Tinder に命をかけてました!アルゴリズムを徹底的に研究し、毎日アポを組みました!マッチ数なら誰にも負けません!」などと言っても、そんな情熱は社会で評価されません。
とはいえ、特に頑張ってこなかった学生にとって、「頑張ってきたこと」をひねり出すのはなかなか難しい作業です。
他の学生を参考にしましょう。今は「キャリチャン」など、他の学生の「ガクチカ」を参考にできるサイトがたくさんあります。活用しない手はありません。

他の学生の「頑張ったこと」をインプットにして、自分なりにアレンジするのです。
大学受験で過去問を研究しない奴は馬鹿です。就活も同じで他の人を研究するべきです。
丸パクリするのではなく、「良い回答」のエッセンスを掴んで、自分なりに取り込むのがいいです。
ちなみに、大事なのはエピソードの派手さよりも、論理的に回答することです。 的確に、わかりやすく受け答えしましょう。
OB・OG 訪問は必要なのか?
情報源としては意味がないです。学生が会える 1〜3 年目くらいの NRI 社員は仕事のことは何もわかっていません。 業務内容も議事録だったり、なんちゃってマネジメントだったりで、大したことやってません。有価証券報告書を読んだ方がマシです。
それに 1 年目は半分くらいは研修ですし、研修が終わってもオママゴトみたいな仕事しかしてません。
OB・OG 訪問は志望動機を作るためだけに利用します。
「この人に会って、こんなことに感銘を受けた。自分もこんな仕事がしたいと思った」みたいなことを言えば、ペラペラな志望動機にちょっと説得力が出ます。
OB の言うことは別に鵜呑みにする必要はありません。社内では雑魚です。 都合よく解釈して、志望動機の糧になってもらいましょう。
ちなみに、別に OB 訪問やインターンをしなくても内定は出ます。
ただ、インターンは普通に現場に来て作業するので、現場の雰囲気を知るには非常に良いと思います。インターンなのになぜか給料も出ます。
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中小企業を練習に使え
面接の受け答えには慣れも必要です。
出した書類に対して何を聞かれるかはパターン化されます。 5 社受けたあたりから、だいたいの質問にもスムーズに答えられるようになります。
最初はうまく答えられずに失敗もするでしょう。その失敗が大事です。
失敗して、反省して、メモを取り、練習して次に挑むことで、受け答えが上手になります。
この記事を読む方は、大企業に行きたいでしょう。大賛成です。新卒でベンチャーというか、中小企業はおすすめできません。 メガベンチャーならいいですが、しょぼい中小企業に入るとキャリアが詰みます。
中小企業は面接の練習に使いましょう。
本命の大企業を受ける前に、5 社くらいしょぼい中小企業の面接を受けてください。 ちゃんと会社のことを調べて、最悪滑り止めにしてもいいかな、くらいの会社を狙いましょう。
そこで面接の経験を積んでから、本命の大企業の面接を受けます。 実践こそが成長の鍵です。最初は落ちても気にしなくていいです。
どんどん受けていきましょう。中小企業の人間は「採用にもコストをかけてるんだ」と言うかもしれませんが、こっちも人生かけて就活やっているわけです。 「お前の会社に魅力がないのが悪い。魅力があれば、普通に入りたい」と開き直ればいいんです。
「文句を言うなら金を出せ」と心の中でベロを出しましょう。
大企業からベンチャーに転職するメリットとデメリット、やりがいを経験者が語る
まとめ
結論、頭がよく、根性があって、学習能力の高く、気持ちよくコミュニケーションが取れる人を採用したいってことです。 どこの会社でも同じですね。
それっぽいエピソードを掘り起こしておきましょう。 想定質問から逆算して、エピソードを紐付けましょう。