エンジニアの市場価値とは、転職活動をして、内定が出て、オファー面談で提示される年収の平均です。
ベンチャー企業に転職すると市場価値は下がります。なぜかというと、ネームバリューがないからです。
転職活動をすれば痛いほどわかりますが、所属企業のネームバリューはけっこう大事です。ネームバリューのある会社に所属していたことがあると、評価にかなり下駄を履かせてもらえます。
「東大卒なら優秀な可能性が高い」 「メルカリ出身ならスキルが高い可能性が高い」
みたいな印象を面接官が抱くことは容易に想像できますよね。
「Google の人なんだからすごいに決まってる」みたいなのと同じです。
転職市場で高く評価されているメガベンチャーに入ったなら、次の転職で書類選考に通る確率は上がります。
しかしながら、どこの馬の骨ともわからないベンチャーに入ってしまうと、あなたの市場価値は下がります。
「何ができるようになったか」も大事なのですが、転職では「どこの会社で働いていたのか」の方が評価されるからです。
「会社名による信用アップ」は間違いなく存在します。年収が高く、有名な会社で働いていると、その人の能力が普通でも「優秀そうだな」と評価されます。
大手から一度ベンチャー企業に転職して働いていた時は転職エージェントから全然メールが来なくなったのに、大手に戻ったらまたメールが沢山来る様になった。
— プロレタリア®︎ (@ExploitedSide) August 7, 2022
結論、全く『人』を見てない。
また、年収が高い方が優秀そうに見えます。
年収が高く、ネームバリューがある会社に入るのが、次の転職活動でも有効なのです。
転職活動では「前職の年収」が基準となる
すべての転職者が注意しなければいけない点があります。
転職活動で年収の基準となるのは「スキル」ではありません。
「前職の年収」です。
つまり、今働いている会社での年収が、次の会社での年収の提示の基準となります。
ベンチャーに転職して何かしらのスキルが身についたとします。
大企業時代は会社のルールに従っているだけで、スキルが身についた気がしなかったあなたは、スキル的にはものすごくレベルアップしたように感じているでしょう。
実際、新しいスキルはたくさん身についていて、確実にレベルアップしているはずですが、提示される年収は「ベンチャーでの年収」が基準となります。
ベンチャーに転職して年収が下がったのであれば、その下がった年収が基準となって、「今の年収プラス 100 万円」みたいな話になります。
なので、一度年収を下げてしまうと、そこから上げていくのは大変なのです。
年収を下げるのは、大きく職種を変える 1 回だけにしましょう。
SIer のプロジェクトマネージャーからプログラマ・ソフトウェアエンジニアに職種チェンジするときなど、1 回だけです。
それ以外は決して年収を下げてはいけません。年収が下がるならオファーを受けないようにしてください。
SIer のプロジェクトマネージャーに嫌気が差して、ソフトウェアエンジニアにキャリアチェンジする場合などは、1 度だけ年収を下げるのもありです。
ただ、全く違う分野に転職する場合は相当な年収ダウンは覚悟しなければいけません。
年収が 1000 万円を超えていて、スキルが活きない会社への異業種転職をする場合は、300〜500 万円くらいは普通に年収が下がる可能性があります。
ベンチャー企業にはネームバリューがない
ネームバリューがないベンチャー企業で働いている人の市場価値は下がります。 言い方を変えると、転職活動中のウケが悪くなります。
有名で年収が高い会社で働いていると、転職活動中の反応も良くなります。
会社名は「信用」なのです。ベンチャーは信用がありません。事実は事実として納得しましょう。
信用も無い。金もない。人材もいないのがベンチャーです。
無いものは無いので、文句いっても仕方ありません。
転職市場では「どこの会社で働いていたか」が面接官の印象に大きく影響します。
多かれ少なかれ、所属企業の錯覚資産に影響を受けているのです。
無名企業だと、スキルが身についたとしても転職市場での評価は下がります。
評価が下がったなら、スキルが上がっても提示年収は下がります。
ただ、ネームバリューがないベンチャーだとしても、そこでもらっている年収が高い場合は、次も高い年収が提示される可能性は高いです。
ベンチャーは 100%悪なのではなく、「年収が低いベンチャーはクソ」と覚えておいてください。
年収が高いのであれば、ベンチャーもありです。 高いというのは、具体的には年収 800 万円以上を基準にしましょう。
それくらいあれば、次の転職では年収 1000 万を超えてきます。
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ベンチャーに転職するならできるだけ年収が高いところに行け
年収が低いベンチャーは最悪です。 次の転職でも年収が上がらないからです。
年収が低いベンチャーは昇給も少なく、「実力主義」を唄いながら単なるケチ企業になっています。
上場が見えていて、ストックオプションをもらえるなら入る意味はありますが、株ももらえないのに働くメリットはほぼありません。
何度でも強調しますが、転職先の年収は「前職の年収」が基準となります。
年収を下げてしまうと、基準が下がってしまうので、この先のキャリアで取り返していくのが大変なのです。
年収を下げて転職するなら、気前よく年収が上がっていく会社を選びましょう。
昇給も渋く、今後数年で年収が 200 万円以上上がる見込みがないのであれば、転職するべきではありません。
一事が万事で、年収が低い会社はその他のメリットも薄いことが多く、転職していいことはほとんどありません。
年収が低いのは労働者が悪いのではなく、社長がケチで無能だからです。
儲かっていない会社には見切りをつけましょう。 金払いの悪い会社には見切りをつけましょう。
ベンチャーは自分で起業するか、役員になるか、踏み台にするかの 3 択です。
多くの人は「踏み台にする」のが一番良い選択になるでしょう。 年収が上がらないのであれば、長く働くメリットはありません。
1 年程度我慢したら、次にいくのが良いと思います。 もちろん、転職先が見つかったら 8 ヶ月くらいで辞めてしまっても良いです。
ただ、ジョブホッパー扱いされると転職市場での反応は悪くなりがちなので、1 年以内の転職を数回続ける...みたいな冒険はしないほうがいいです。
石の上にも 3 年までいる必要はないですが、前の会社を 1 年で辞めた場合、次の会社は 2 年くらいは続けるのがいいのではないでしょうか。
踏み台転職で年収を上げていけ
エンジニアが年収を上げる方法は、定期的に転職活動をして、年収水準が高い会社に移っていくことです。 会社の給料はなかなか上がりませんが、転職すると一気に年収が上がります。
自分が知らないだけで、世の中には想像以上に年収を出してくれる会社がたくさんあります。
3shake(スリーシェイク)は年収が高い!SRE としてブランド力がある!転職する方法を考えよう
Google や Apple といえば、誰でも高給が想像できますが、転職活動すると、本当に予想外の方向から年収が高い会社が次々と見つかります。 予想外の方向なので、普段はアンテナを立てようがありません。
なので、年収が高い会社の情報を持っているエージェントに相談する必要があるのです。 「年収を上げてくれる会社を受けて、受かったらそこに行く。受からなかったらステイ」というのが年収アップゲームの攻略法です。
できれば 20 代の若いうちから、年収アップゲームに参加しておいた方がいいでしょう。 業界全体で見ると、ウェブ系エンジニアは引く手あまたで、転職活動に困ることはあまりありません。
2 年ごとに年収を上げていきましょう。